関西にも名湯はいろいろありますが、その中でも大阪や神戸近郊でよく耳にする温泉といえばやはり「有馬温泉」。かの豊臣秀吉も愛したといわれている名湯です。今回は有馬温泉の魅力やおすすめの観光スポットをご紹介します。
有馬温泉ってどんなところ?
有馬温泉は群馬県の「草津温泉」、岐阜県の「下呂温泉」と共に日本三大古湯に数えられています。温泉の特徴は、「金泉」と「銀泉」の2種類の温泉があることです。
「金泉」は赤みがあるお湯です。塩分濃度が高く、殺菌作用が高いので、皮膚疾患などに効果があるといわれています。「銀泉」は無色透明で、二酸化炭素泉です。炭酸ガスが血液の循環を良くし、高血圧や心臓病に効果があるようです。両方の湯を楽しめる宿があるほか、それぞれ外湯でも楽しむことができます。
有馬温泉のアクセス
有馬温泉は神戸市北区に位置していて、神戸の市街地から比較的近い場所にあります。
三宮からのアクセス
三宮から有馬温泉までは、電車ルートとバスルートがあります。どちらを利用しても時間はそれほど変わりません。移動にかかる時間は三宮駅から30分~45分ほどです。
電車を利用した場合のルート
三宮駅→神戸電鉄 有馬口駅→神戸電鉄有馬線 有馬温泉駅(所要時間 約30分)
バスを利用した場合のルート
阪急バス 三宮駅前→新神戸駅→有馬温泉(所要時間 約45分)
大阪(梅田)駅からのアクセス
大阪(梅田)駅から有馬温泉へは、電車とバスの2ルートがありますが、便利なのはバスです。
電車を利用した場合のルート
大阪駅
JR 大阪駅→JR 三ノ宮駅→神戸市営地下鉄 谷上駅→神戸電鉄 有馬口駅→神戸電鉄有馬線 有馬温泉駅(所要時間 約1時間)
梅田駅
阪急/阪神 梅田駅→神戸高速鉄道 新開地駅→神戸市営地下鉄 谷上駅→神戸電鉄 有馬口駅→神戸電鉄有馬線 有馬温泉駅(所要時間 約1時間20分)
バスを利用した場合のルート
高速バス 有馬エクスプレス号 JR大阪駅→新大阪駅→有馬温泉(所要時間 約1時間)
伊丹空港からのアクセス
伊丹空港から有馬温泉までは直通のバスが運行しています。
阪急バス 大阪国際空港(伊丹空港)→有馬温泉(所要時間 約30分)
京都駅からのアクセス
京都駅からはバスの利用がおすすめです。
高速バス 有馬エクスプレス号 JR京都駅 烏丸口→有馬温泉(所要時間 約1時間10分)
有馬温泉の観光スポット
有馬温泉街の観光スポットをいくつかご紹介します。
ねね橋
有馬温泉の街の中心部にある赤い欄干の橋です。豊臣秀吉の正妻「ねね」の銅像が橋のたもとに佇んでいます。ねねの銅像のそばには、もみじの木があり、紅葉の季節は赤い欄干が更に映えて美しいです。ねね橋の近くには「太閤橋」もあります。
外湯
有馬温泉は宿泊も良いですが、日帰りでも十分に楽しめます。日帰りで欠かせないのが、温泉を楽しめる外湯です。有馬の湯と言えば赤みがかった金色の「金泉」。その金泉を気軽に楽しめるのが有馬温泉街の真ん中にある公衆浴場の「金の湯」です。
無色透明のお湯が好きな方は、温泉街から少し離れた「銀の湯」がおすすめです。岩風呂をイメージした大浴場やうたせ湯、蒸気式サウナも完備しています。
太閤の湯殿館
1995年の阪神淡路大震災で壊れた極楽寺の庫裏下から、偶然豊臣秀吉が造らせた「湯山御殿」の一部が発見されました。400年の時を経て見つかったのは、湯船や庭園の遺構、瓦や茶器などです。
太閤の湯殿館は、発掘された湯船や遺構、出土品を展示し、太閤秀吉が愛した有馬温泉の歴史、文化を紹介しています。
また、太閤の湯殿館は銀の湯のすぐ横で、周囲には極楽源泉、念仏寺、温泉神社、温泉寺などが点在しています。
有馬温泉のグルメ
有馬温泉のおすすめグルメをご紹介します。
温泉饅頭
有馬温泉街の中にも美味しい温泉饅頭のお店があります。店先で蒸かしているので、熱々の温泉饅頭を味わえます。
神戸牛を使用したコロッケや牛丼
有馬温泉街のメインストリートにある肉屋では、揚げたてのコロッケをいただけます。おすすめは創業80年以上の老舗精肉店の「竹中肉店」。竹中肉店のコロッケの特徴は、神戸牛のミンチを使っている点です。コロッケはもちろん、ミンチカツや神戸牛串焼きもテイクアウトできるので、風情のある温泉街で食べ歩きも楽しめます。
また、店内にはイートインスペースがあり、神戸牛で作った牛丼をいただけます。値段は、大1,300円、中1,000円、小700円です。
有馬麦酒
「有馬麦酒」は伏流水を使った有馬温泉の地ビールです。「インターナショナル・ビアカップ2014」という国際的なビールの審査会で金賞を受賞しています。有馬温泉の中心部にある立ち飲み店「酒市場」を始め、ホテルや旅館などでもいただけます。
有馬温泉のおすすめお土産
有馬温泉ならではのお菓子や伝統工芸品など、有馬温泉でおすすめのお土産をご紹介します。
炭酸せんべい
有馬温泉のお土産の代表格が「炭酸せんべい」です。今でも一枚一枚職人が手焼きをしているお店が多数あります。小麦粉を炭酸水で溶かし、味付けは砂糖と塩だけの昔ながらのおせんべいで、いつ食べても変わらない味が人気です。
松茸昆布
「松茸昆布」は、室町時代から続く伝統的な製法を守り続けている佃煮です。お店によって作り方や味は異なりますが、基本は「醤油、酒、みりん、水あめ」を使用して素材のうまみを引き出しています。有馬温泉周辺で採れる「有馬山椒」を使った佃煮もあります。
伝統工芸品
有馬温泉の伝統工芸品といえば、「有馬籠」と「有馬人形筆」です。
有馬籠
「有馬籠」は、安土桃山時代から伝わるとされる工芸品です。豊臣秀吉や千利休と所縁が深い有馬温泉で、主に花器として作られてきました。今は花器だけでなくカラトリーやファッションアイテムも製作されています。
有馬人形筆
有馬人形筆は兵庫県の重要文化財に指定された伝統技法によって一本一本手作りされている筆です。とてもカラフルな筆で、穂先を下に向けると可愛い人形が飛び出すカラクリになっています。もちろん書道用にも使えます。
有馬人形筆を製造・販売しているのは「灰吹屋西田筆店」だけですが、2016年の火事で休業中。2017年中に再開予定です。
さいごに
今回は関西の名湯、有馬温泉をご紹介しました。有馬温泉は神戸や大阪からも近く、宿泊旅行でなくとも日帰りで楽しめることができる温泉です。関西の観光と併せて、ぜひ足を伸ばしてみてください。