言わずと知れた名作ぞろいの「ルーブル美術館」
ヨーロッパの美術館といえば「ルーブル美術館」を思い浮かべる人も多いのではないでしょうか。フランスの首都パリにある「ルーブル美術館」に展示されている美術品は約3万5,000点ともいわれています。美術品の年代も先史時代から19世紀までと幅広く、西洋美術の歴史の流れを学ぶにはもってこいの美術館です。建物自体も12世紀に王のフィリップ2世が要塞として建設したもので古い歴史をもちます。特に絵画の点数は7,500点以上にものぼり質の高さとともに評価されています。コレクションのメインはフランス絵画ですが、イタリアや北方ヨーロッパの絵画も充実しています。中でもレオナルド・ダ・ヴィンチ作「モナ・リザ」は世界で有数の知られた肖像画だといえます。繊細に描かれた女性のミステリアスなほほ笑みをルーブル美術館では実際に鑑賞できます。
世界最古の「大英博物館」
イギリス・ロンドンの「大英博物館」の歴史は1759年に個人から国へゆずられたコレクションが一般公開されたのがはじまりです。現代では世界各地の歴史や文化を学ぶにはうってつけの博物館として人気があります。収蔵品は約700万点という圧倒的な数です。その中から常時15万点が展示されており見ごたえがあります。人類の文化遺産ともいわれる展示品の数々を、入場料無料で鑑賞できます。約100室ものギャラリーがあるため、あらかじめ鑑賞したいものを決めておくと、効率よく鑑賞できます。限られた時間で重要な展示のみを鑑賞するなら、まず「ロゼッタ・ストーン」は外せません。1799年にナポレオン軍がエジプトへ遠征していた際に発見した石です。ただの石ではなく、古代エジプト時代のプトレマイオス5世をたたえる碑文がヒエログリフ、デモティック・古代ギリシア語で刻まれています。古代エジプト史を解明していくきっかけにもなった石です。このよう、世界の歴史において重要な展示ばかりの博物館です。
メディチ家の栄華を展示する「ウフィッツィ美術館」
ヨーロッパの中でも、イタリア・ルネサンス期の美術を堪能したいなら、イタリア・フィレンツェにある「ウフィッツィ美術館」がおすすめです。16世紀に建てられたウフィッツィ美術館は、建設当時フィレンツェで栄華を誇っていたメディチ家のコレクションを展示しています。そのコレクションの数・質は、イタリア国内の美術館としては最大のもので、とうてい1日では鑑賞しきれないほどです。ルネサンス期を中心に、それ以降のバロック・ロココ絵画や古代の彫刻など、メディチ家が長年かけて集めたコレクションの数々。ルネサンス期の巨匠、ボッティチェリの「ヴィーナスの誕生」はギリシア神話に登場する女神・ヴィーナスが、恥じらいながら海より出現して貝の上に立っている様子を描いています。3メートル近い幅があり、ヴィーナスの美しさに圧倒される作品を間近で鑑賞できます。
スペイン絵画の殿堂「プラド美術館」
イタリア・ルネサンス期の絵画とはうって変わってドラマチックなスペイン絵画を鑑賞するなら、スペイン・マドリードにある「プラド美術館」がマストです。もともとこの美術館のコレクションは王家が収集していた作品がメインです。よってベラスケス、ゴヤなど、かつてのスペイン王家に宮廷画家として仕えていた巨匠たちの作品が充実しています。ベラスケスの「ラス・メニーナス」は、17世紀中盤のスペインを支配していたフェリペ4世のマドリード宮殿の大きな一室での瞬間を切り取っています。トリックのような要素も隠されており実際に鑑賞するとどんどん引き込まれるでしょう。ベラスケスの傑作とも呼ばれる美術館を代表するような作品です。
ヨーロッパの美術館・博物館は見ごたえあり!
ヨーロッパ各国を代表するような美術館や博物館は、ジャンル、質、量ともに日本の美術館では考えられないような充実ぶりです。加えて建物自体にも歴史があったり、装飾が豪華だったりと、その場にいるだけでも特別な体験となるでしょう。