出島には、南蛮往来の歴史を物語る貴重な史跡が数多く残っています。今回は、長崎県を代表する観光スポットの1つ、出島の楽しみ方や見どころをご紹介します。
出島ってどんなところ?
出島は江戸時代に西洋の窓口として築かれた人工島です。約200年にわたる鎖国時代で唯一、西洋諸国に門戸を開き、貿易の玄関口としての役目を果たしてきました。鎖国が終わり、明治期には埋め立てられましたが、「出島和蘭商館跡」として国の史跡に指定され、長崎市によって復元作業が行われています。現在、19世紀に島内にあった49棟の建築物のうち、25棟の復元が実施されており、2016年には6棟が一般公開されました。西側ゲートからは江戸時代から幕末、明治へと時代を辿ることができ、東側ゲートからは明治から幕末、江戸へと時代を遡って、それぞれの時代ごとの遺構や建築物を見ることができます。
出島のアクセス
JR長崎駅からのアクセス
路面電車
JR長崎駅前→「正覚寺下行き」乗車→「出島」下車→徒歩すぐ
JR長崎駅前→「正覚寺下行き」乗車→「築町」下車→徒歩1分
路線バス
JR長崎駅前南口→「新地ターミナル行き」乗車→「長崎新地ターミナル」下車→徒歩5分
自動車
JR長崎駅→長崎自動車道長崎IC・ながさき出島道路から約1分(約6分)
※専用駐車場はありません。
長崎空港からのアクセス
長崎空港リムジンバス(長崎県営バス)
長崎空港⇔長崎駅前
・出島バイパス経由:約40分
・諏訪神社経由:約50分
・昭和町経由:約55分
長崎空港リムジンバス(長崎バス)
長崎空港⇔長崎駅前
・出島バイパス経由 約43分(新地バスターミナルまでは約35分)
営業時間・入場料
営業時間
通常 8:00~18:00(最終入場17:40)
延長期間 8:00~19:00(最終入場18:40)
※平成29年度下半期の延長期間
・ランタンフェスティバル期間中(平成30年2月16日~3月2日)
休業日
年中無休
※平成29年11月24日(金)は出島表門橋完成記念式典開催のため臨時休業
入場料
大人 510円
高校生 200円
小・中学生 100円
出島の楽しみ方
街並みを楽しむ!
出島の島内には19世紀初頭の街並みが復元されています。1860年代の建築物「旧石倉」は坂本龍馬の海援隊も取引に訪れたハットマン商会の倉庫でした。現存する日本最古のプロテスタントのキリスト教神学校「旧出島神学校」や、当時のインターナショナルクラブだった「旧長崎内外クラブ」など、明治期の建築物を見ることができます。
明治時代に埋め立てられ、姿を消した出島ですが、発掘調査によって、1636年の築造当時の護岸石垣が出土。修復の後、公開されています。100年の時を超えて再び姿を現した石垣は、出島が完成した南蛮貿易時代を物語る貴重な史跡の1つです。
食事を満喫!
出島では、貴重な歴史的建築物の中で、長崎グルメを楽しむことができます。国指定史跡の出島和蘭商館跡「旧長崎内外クラブ」1階にある「出島内外倶楽部レストラン」では、人気のジビエ料理や、ポルトガル伝来のメニューを堪能できます。この地ならではの料理がそろっていますが、中でもおすすめは、長崎産イノシシと豚肉のパイ「パスティ」と、ポルトガル伝来のスープ「ヒカドスープ」。歴史あるレトロな空間で、江戸時代より西洋文化に親しんできた出島の食肉文化が体験できます。
イベントを満喫!
出島では、長崎のお座敷遊び「長崎検番の舞」を体験することができます。検番とは芸妓衆が所属するところをいい、国指定史跡の1つ「カピタン部屋」で実施されています。料金は1人500円で、第2・4土曜日の12:00~14:30の間で30分おきに開催され、1回の所要時間は約25分です。長崎国際観光コンベンション協会「長崎さるく受付」(095-811-0369)で事前予約もできます。
さいごに
江戸時代より西洋に門戸を開き、独特の文化を育んできた出島。時を超え、今に蘇る建築物の数々は往時を偲ばせる貴重な遺産です。あなたも歴史の旅にでかけてみてはいかがでしょうか。