伊豆の名湯、静岡県伊豆市の修善寺温泉は伊豆半島で一番古い歴史がある温泉です。日本名湯百選にも選ばれています。今回は、修善寺温泉周辺の観光スポットをご紹介します。
修善寺温泉ってどんなところ?
修善寺温泉には、「その昔病で苦しむ父親を川の水で洗う孝行息子に心を打たれた弘法大師空海が手に持つ「独鈷」という仏具で川の岩を打ち温泉を湧出させ、父親は快癒したと」という開湯にまつわる伝説があります。この伝説から、伊豆半島で一番古い温泉は弘法大師が開いた「独鈷の湯」といわれています。この故事からすでに1200年以上が経ちますが、現在でも湯治、療養のために多くの人々が訪れており、温泉療法医がすすめる名湯百選にも選ばれています。
修善寺温泉のアクセス
電車の場合
東京駅からJR東海道新幹線か特急電車を利用し、三島駅まで行きます。そこから伊豆箱根鉄道に乗り換え、修善寺駅まで約1時間50分です。修善寺駅から修善寺温泉までは、伊豆箱根バスや東海バスで修善寺温泉行に乗り約10分で到着します。
自動車の場合
自動車の場合は、東京ICから東名高速か新東名高速で沼津長泉ICを抜け、伊豆縦貫道の函南塚本ICから伊豆中央道か国道136号で修善寺に着きます。東京ICから約1時間、豊田ICから約3時間です。関東方面からは高速バスも運行しています。
修善寺温泉の見どころ・楽しみ方
修善寺温泉を散策しよう
修善寺温泉は、のんびりと過ごせるノスタルジックな温泉街です。修善寺温泉の中心には桂川があります。桂川に沿った遊歩道は「竹林の小径」と呼ばれる和の雰囲気を楽しめる道です。小径にはお茶処や火の見櫓、大きな竹製の円形ベンチなどが点在しています。時期によってはライトアップもしているので、夜の散策も楽しめます。
竹林の小径の途中に、和風ギャラリー「しゅぜんじ回廊」があり、年間を通じて修善寺の歳時記の写真など修善寺所縁の展示をしています。
浴衣・着物レンタルで温泉街を楽しむ
せっかくの温泉街なので、着物や浴衣を着て散策するのはいかがでしょうか。修善寺温泉駅前で浴衣・着物をレンタルしているので、宿泊の方も日帰りの方も安心です。9月30日までは浴衣、10月1日以降は着物をレンタルできます。料金は浴衣が4,000円、着物が4,500円です。9:30~16:30の時間帯でレンタルできます。
観光に便利なレンタサイクル
修善寺の観光には、「修善寺サイクルシェアリング izu velo(いずベロ)」が便利です。修善寺駅前と修善寺温泉場の2ヶ所の「いずベロ」で電動アシスト自転車やファミリーサイクル、マウンテンバイクなどのレンタルできます。レンタルできるのは中学生以上、ご利用時間は9:00~17:00、料金は500円/1時間、半日(4時間)1,000円、一日最大2,000円でレンタルできます。台数に限りがあるので、電話予約をしておいたほうが安心です。
修善寺温泉周辺のおすすめ観光スポット
修善寺
修善寺温泉駅からほど近い場所にあるお寺で、名前の通り修善寺温泉の中心的存在で観光客も多い場所です。1200年以上の古い歴史を持つお寺で、807年に弘法大師が建立したといわれています。
修善寺を訪れたら、修善寺宝物殿もおすすめです。鎌倉時代の源家や北条家ゆかりの資料や仏像、法具などが展示されています。宝物殿の開館時間は、4月~9月は8:00~16:30、それ以外の時期は8:30~16:00、入館料は300円です。
日枝神社
修善寺の東隣にある神社が日枝神社です。お社のそばには日枝神社の見どころ、イチイカシと呼ばれる巨大な樫の木があります。この樫の木は静岡県の天然記念物に指定されています。
お社の左側には杉の木が数本ありますが、その中に根本が1つで2つに分かれる杉があります。その寄り添う姿から「めおと杉」と呼ばれ、しめ縄を巻いて大切に保存されています。ここでお願をすると子宝に恵まれるといわれています。
独鈷の湯
独鈷の湯は修善寺温泉発祥の伝説となった、修善寺温泉のシンボル的な場所です。諸国を行脚中の弘法大師空海が独鈷で川の岩を打って霊湯を湧出させたと伝えられています。独鈷の湯は温泉に入ることはできませんが、手や足を温めることができます。
恋の橋めぐり
桂川にかかる5つの橋には、それぞれ恋にまつわるご利益があるといわれています。その5橋を巡るのが「恋の橋めぐり」です。それぞれのご利益は、滝下橋は「夫婦円満」、楓橋は「結婚祈願」、桂橋は「子宝祈願」、虎渓橋は「恋愛成就」、渡月橋は「良縁祈願」です。
ハリストス正教会
全体的に和の雰囲気の修善寺温泉ですが、その中で異国情緒を漂わせているのがハリストス正教会です。
静岡県の文化財に指定されています。基本構造は日本建築、外見は洋風に作られています。建物の周囲の屋根軒下のぶどう飾りは左官職人が一つずつ丁寧に彫ったもので、それぞれ形が異なります。聖所のシャンデリアは水晶製で、18mの鐘楼を揚げるイコノスタスは国内では珍しいものです。
さいごに
伊豆修善寺温泉のおすすめスポットをご紹介しました。修善寺温泉を愛した文人墨客も多く、夏目漱石なども修善寺温泉で療養をしています。また、川端康成の伊豆の踊子の文中に登場したり、高浜虚子の句に詠まれたりもしています。ノスタルジックな修善寺温泉で、ゆったりとした時間を過ごしてみてはいかがでしょうか。