雪景色と海のリゾート、二面性が楽しめるクロアチア。その歴史とは?
クロアチアは、東欧の南方にあるバルカン半島に位置する共和国です。東はボスニア・ヘルツェゴビナとセルビア、西はスロベニア、北はハンガリーに接し、南はアドリア海に面しており、向こう側にはイタリアを臨むことができます。
首都であるザグレブは、国内でも北方に位置し内陸であるため、一日の気温差が比較的大きい気候です。また、緯度としては北海道の宗谷岬よりも高いため、冬には雪が降り続くこともあります。一方、南部のドゥブロヴニクはアドリア海に面していることもあって比較的温暖な地中海性気候の地域で、夏のリゾート地としても人気です。
クロアチアは、古くは9世紀頃に王国として統一されましたが、ハンガリー王国・オスマントルコ・オーストリア=ハンガリー帝国といった大国の侵略を長年受けてきました。1918年の第一次世界大戦終結によりオーストリア=ハンガリー帝国が消滅し、バルカン半島にはユーゴスラビア王国ができ、クロアチアも属することになります。しかし、民族間の問題などから一度独立。第二次世界大戦末期から起こったパルチザン闘争を経て、ようやくユーゴスラビア連邦の一部としてバルカン半島の情勢が安定するようになりました。1989年より顕著となった東欧の民主化運動、いわゆる東欧革命の機運が高まったことによりバルカン半島の各国がそれぞれで独立して今日に至ります。
今が旬のクロアチアの旅。流行の理由とは?
もともとヨーロッパの観光国として人気のあったクロアチアは日本人の海外旅行先としても注目を集めています。その理由は、中世から育まれてきた歴史的な街並みや建物、それらを形作ってきた歴史と文化にあるのです。
クロアチアでも特に有名な首都のザグレブやドゥブロヴニクは、石造りのヨーロッパ的な街並みが非常に美しいのですが、フランスやドイツといった西ヨーロッパとは少し異なった雰囲気を持っています。それはクロアチアを支配したかつての大国の影響によるのです。建築物や街並みに用いられる装飾に、その一端を見出すことができるでしょう。また、音楽に関しても地域によって隣接する国の影響が見られ、クロアチアの多彩な文化を垣間見ることができます。
こうした、いかにもヨーロッパといった雰囲気からは少しずれた、エキゾチックさがクロアチアへの旅が流行している秘密なのかもしれません。
観光国ならではの国民性。クロアチアの人々はどんな雰囲気?
旅行するとなると気になるのが行先の人々の雰囲気や国民性です。クロアチアは、観光国として多くの外国人が訪ねてくることから、フレンドリーでおもてなし好きな一面があります。旅行者が道で迷っていると気さくに声をかけてくれたといったエピソードも多く見られ、安心して旅ができそうです。
ただし、日本のように均質で時には行き届きすぎていると評されるような過剰なサービス精神を期待するのは禁物です。
とはいっても、クロアチアは親日家の多い国ともいわれているので、クロアチアの人々の親切な面に触れる機会も多いでしょう。
基本的なマナーがあればOK!クロアチアで気をつけておくべきこと
海外旅行をする際にあらかじめ知っておきたいのが行く国独自のマナーです。
クロアチアの場合、さほど独自のマナーというものはありませんが、気さくな国民性を踏まえたうえで、お店などでは軽くあいさつする習慣があることを覚えておくと良いでしょう。また、喫煙や飲酒に関しては18歳未満の購入が禁止されています。喫煙できるスペースが非常に限られる傾向にあるので、愛煙家は注意が必要です。
また、歴史上複雑な背景をもつ国ですので、過去の戦争や民族の話を不用意に持ち出すのは避けたほうがよいでしょう。
クロアチアの見どころ
ドゥブロヴニク旧市街
中世に、貿易で栄えた街で、旧市街の家の屋根がオレンジ色に統一されているため、城壁からの眺めが絶景です。入場料が3,000円程度かかりますが、ぜひ高台へ登ってみてください。
プリトヴィッツェ湖群国立公園
ユネスコの世界遺産に登録されている、16の湖が点在する観光スポットです。また、滝が園内には92本もあり、とても幻想的な雰囲気です。
木々も生い茂っているため、夏の緑、秋の紅葉の時期もおすすめです。
海のオルガン
アドリア海沿岸にある、ザドルという街の白い階段がそれにあたります。見た目ではわからないのですが、階段の下に管が埋められており、その管の中を海の水が通ると、幻想的な音色が奏でられます。
更に、夜にはライトアップされ、昼間とは違った素敵な空間に生まれ変わります。
ヤコブ大聖堂
世界遺産に登録されている建造物で、建築様式にさまざまな試みがなされた特徴的な大聖堂です。建造に100年以上かかったため、建築家が何人も変わったことによるものです。周囲には、人頭彫刻が70以上あり、洗礼室にも見事な装飾がされています。
クルカ川の河口にあるシベニクという街にあります。
東欧の世界観を満喫しよう!
定番のヨーロッパ旅行とはちょっと違った雰囲気を味わいたい。そんなときに候補に挙がってくる東欧の国・クロアチア。アドリア海の美しさや内陸の自然の豊かさ、そして古くからの歴史が育んできた都市の賑わいを、ぜひ堪能してきてください。