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学生の感動からはじまった!北海道の風物詩「よさこいソーラン祭り」

北海道の風物詩は雪まつりだけではありません。毎年6月に開催されるYOSAKOIソーラン祭りもまた、日本国内からだけでなく海外からも近年注目を集める風物詩の1つです。「YOSAKOI」といえば高知県、「ソーラン節」といえば北海道。両者を合わせたものが北海道の風物詩と聞くと違和感のある方がいるかもしれません。ここでは「YOSAKOIソーラン祭り」を初めて聞いた方や詳しくない方にどういった祭りなのかをご説明いたします。

踊りがメイン!YOSAKOIソーラン祭り

6月のじめじめした空気を吹き飛ばす力強さをもつYOSAKOIソーラン祭り。YOSAKOIソーラン祭りとは、毎年6月上旬に北海道札幌市で実施されるイベントです。そのタイトルから思い描けるとおり、金魚すくいやヨーヨー釣りといった縁日ではなく、全国から集まってきたチームによる踊りに重点が置かれています。
「ヤーレンソーランソーラン」の歌詞の有名な北海道民謡「ソーラン節」をご存じの方も多いでしょう。もともとニシン漁の歌として人々の間に浸透していたソーラン節を取り入れ、さらにはよさこい踊りの鳴子を合わせた踊りを披露するのがYOSAKOIソーラン祭りです。

「よさこい」は北海道ではなくあの地方から始まったもの!

そもそも「よさこい」とは、「夜にいらっしゃい」という意味の「夜さり来い」という古語が変容したもので、よさこい祭りやよさこい節などの総称といわれています。毎年8月に高知県でよさこい祭りが行われているように、「よさこい」といえば高知県を思い出す方が多いでしょう。戦後の不況を吹き飛ばすため、1954年に商工会議所有志によって第1回目のよさこい祭りが執り行われました。このころはまだ祭りの知名度も高くなく踊り子にお金を払って踊りを披露してもらっていました。よさこいの起源にはいろいろな説がありますが、一説には土佐藩(現在の高知県)初代藩主の山内一豊のために高知城を築くにあたって作業場で飛び交っていた掛け声が変化したといわれています。

どこが違う?よさこい祭りとYOSAKOIソーラン祭り

高知県でよさこい祭りの臨場感に感激した学生が高知県のよさこい祭りと北海道のソーラン節を融合させ、現代の「YOSAKOIソーラン祭り」を誕生させました。YOSAKOIソーラン祭りの認知度が高まるにつれてこれらのイベントを混同してしまっている人もいるかもしれません。開催月(YOSAKOIソーラン祭りは6月、よさこい祭りは8月)や開催日数(例年、YOSAKOIソーラン祭りは5日、よさこい祭りは4日)、歴史の長さ以外では、阿波踊りをベースとしているよさこい祭りの方が盆踊りとしての色が強く、衣装がハッピではなく着物に近い傾向にあります。これに対し、YOSAKOIソーラン祭りはパレードだけでなくステージを利用するものもあります。各賞も用意されているためショーとしての色が強くなっています。

生で見たい数々のドラマが魅力的!

1992年に参加チーム10、参加者1,000名という規模で始まったYOSAKOIソーラン祭りは、その後参加者と観客動員数を増やし、第25回目にあたる2016年には2万8,000人もの人が参加しました。手に鳴子(鳥を追い払うための道具)を持って踊ったり曲にソーラン節のフレーズを入れたりするという2つの条件さえ満たせば、基本的に参加者が自分たちで自由に鳴子のデザインや踊りを考えることができます。開催当初の合言葉「街は舞台だ!日本は変わる」が現代でも受け継がれており、街全体が盛り上がるのが最大の魅力でしょう。5日間にわたって開催され、メイン部門だけでなく、お祭りパレードやジュニア大会、U-40大会などで数々のドラマが生まれています。参加者はもちろんそれを見守る観客たちも感動できることでしょう。

今も昔も変わらない感動を

1人の学生の感動が多くの人々を動かし、2016年には200万人を超える人々を動員する北海道の風物詩の1つにまで成長したYOSAKOIソーラン祭り。皆さんもぜひ1度ご自身の目でその感動を味わってみてください。きっと忘れられない体験となるでしょう。