旅先に向かうときにはスマートフォンやタブレットのほかに、予備の電池や充電器を持参したいものですよね。しかし、飛行機に搭乗する際には、充電器や電池の持ち込みに制限が設けられています。具体的にどのような制限があるのでしょうか。
☆充電器や電池の持ち込みに制限がかかる理由
充電器に使われているリチウムイオン電池やリチウム電池は危険物に分類されています。飛行中の揺れや離着陸による衝撃などにより発火したり爆発したりする危険性があるため、機内への持ち込みが制限されているのです。特に、貨物室の下部では揺れによる衝撃がさらに大きくなるといわれています。万一、貨物室で発火してしまうと火を消し止めるのはとても難しいもの。充電器や電池の預け入れに制限があるのはもっともなことですね。国際民間航空機関では2016年4月1日からリチウムイオン電池バッテリーの預け入れによる輸送を禁止すると発表しました。しかし、旅行先に充電器や予備電池が持ち込めなくなってしまうと不安になる方がいらっしゃるかもしれません。現在のところ、機内への預け入れはできませんが手荷物として条件付きで持ち込むことができますので、ご安心ください。
☆予備電池の預け入れと機内持ち込み
予備電池を飛行機に持ち込むときには注意が必要です。すぐに使わないからといってスーツケースに入れてしまうと、荷物の預け入れができなくなってしまいます。予備電池を持ち込みたいときには空港であわてて取り出さなくて済むよう、あらかじめ手荷物の中に入れておきましょう。手荷物として持ち込む場合、リチウム電池についてはリチウム含有量が2グラム以下のもの、リチウムイオン電池はワット時定格量100Wh以下のものであれば個数制限はありません。ただし、リチウムイオン電池でワット時定格量100Wh以上160Wh以下のものについては2個までと定められていますので、事前にワット時定格量を確認しておくとよいですね。パソコンやスマートフォン、タブレットなど電子機器本体についても、リチウム含有量が2g以下・ワット時定格量が160Wh以下であれば持ち込み制限はありません。
☆充電器や予備電池を持ち込む条件について
充電器や予備電池を機内に持ち込む際の前提となっているのが、ショートしないように個々に保護されていることです。どんなふうに保護していれば問題ないのか、具体的に知りたいところですよね。例えば、日本航空の場合には「購入時の小売容器に収納する」または「端末を絶縁する」こととされています。絶縁するには、「テープ等で剥き出しの端末を保護する」あるいは「別々のプラスチック袋もしくは保護パウチに個々の電池を収納する」とよいそうです。なお、全日空ではニッケル水素・ニッカド・アルカリマンガンの電池やバッテリーについても、ショートを防止するよう呼びかけています。電池や充電器の包装に不安があるときには、搭乗前の手荷物検査場で確認しておくと安心ですね。
☆持ち込み可能かどうか事前にチェック
リチウムイオン電池やリチウム電池は貨物室に預けることはできませんので、手荷物として持ち込む必要があります。手荷物で持ち込める充電器や電池にも制限が設けられていて、制限を超えてしまうと回収されてしまう恐れも。充電器や予備電池は高価ですから回収されるのは避けたいものですよね。搭乗直前に残念な思いをしないために、持ち込みたい電池類はひとまとめにして個数や規格をあらかじめチェックしておきましょう。リチウムイオン電池・リチウム電池以外の電池についてもショートしないよう配慮することが求められます。国内線でもモバイルバッテリーの発火により飛行機が引き返しとなったケースがあり、社会的に注目を集めました。安全輸送のために利用者一人ひとりの配慮が求められているといえるでしょう。