空の旅も船の旅も、非日常的な風景を楽しませてくれるものですが、もしも同じ目的地に行く場合、飛行機とフェリーとではどちらが快適な旅となるのでしょうか。ふたつの乗り物のメリットとデメリットを詳しく見ていきましょう。
☆乗っている時間は飛行機に軍配
例えば北海道の札幌市から群馬県高崎市に行こうと考えた場合、飛行機は新千歳空港から羽田空港、そこからバスや電車で高崎へ向かうというルートがあります。この場合はおよそ5時間以内で目的地へ着くことができ、途中で新幹線を利用するとさらに時間は短縮されます。一方フェリーの場合は、札幌から苫小牧港、そこからフェリーで仙台港や大洗港に行くことになります。仙台港まではおよそ15時間、大洗港まではおよそ19時間の乗船時間がかかります。この時点で移動時間は飛行機の方が圧倒的に早いことがわかります。フェリーの場合は港に着いてからさらに目的地まで電車やバスなどで向かわなければならず、よほど時間があるときや自家用車を運びたいときなど以外は、飛行機の方が時間を節約できます。
☆安いのは船旅!でも部屋によっては飛行機並みの値段に
乗り物の多くは1等席や2等席など、席のグレードによって値段が大きく異なるものです。フェリーは一般的に安価な値段で移動できる乗り物ですが、1番価格の低い大部屋では何人もの人と一緒に過ごすが求められます。自分たちだけの部屋が欲しい場合は1等客室以上の部屋を予約しなければならず、その運賃は飛行機のエコノミークラスとほとんど差がなくなります。逆に、LCCと呼ばれる格安航空会社の運賃の方が安いくらいです。飛行機もビジネスクラスやファーストクラスにすればチケット代は高くなりますが、フェリーにもスイートルームやロイヤルスイートルームがあるので、どちらも快適な旅を楽しみたい場合はそれ相応の料金がかかることになります。時は金なりということわざにならうのであれば、フェリーの旅の方が高くつくといえるのかもしれません。
☆総合的に飛行機がオススメ
フェリーは時間がかかる移動手段ではありますが、夜に出港する便を選べば朝起きたときに目的の港に着くという意味では、時間が節約できる乗り物ということができます。しかし、目的地が遠くなればなるほど乗船時間はかなり長くなるので、あまり遠出をする旅には適していません。ゆっくりと旅を楽しみたい人はフェリーを選択すると良いでしょう。一方飛行機は、目的地まで行く時間が節約され、かつLCCを利用すれば料金も低く抑えられるので、現代人の生活に合っているといえます。また、フェリーは1日1〜2便しか出港しないのに対し、飛行機は1日に数便、空港の規模が大きければ数十便は出発します。乗り過ごしてしまったとしても次の便が比較的早く出るので、万が一のときでも焦らずに済むメリットがあります。
☆速さ安さを求めるなら飛行機
船旅はデッキに出て潮風に当たったり、船内の映画館で映画を鑑賞したりといった楽しみ方がありますが、移動を旅の目的とするわけではないのなら、飛行機の方が時間もお金も節約することができるので、コストパフォーマンスが良い移動手段だということがわかります。また、飛行機の旅を楽しみたいなら、窓際の席を予約したり、エコノミークラスよりも少しだけ良い席を予約してゆったりとくつろいだりと、さまざまな方法があります。旅の目的地が遠かったとしても飛行機は短時間で移動できてしまうので、少しうたた寝をしている間に到着しているかもしれません。窓の外から普段は見ることができない雲の上の風景を眺めるのも、飛行機で旅をしたくなる理由のひとつといえるのではないでしょうか。次にどこかへ旅行をする予定があればぜひこの記事を参考にして、快適な旅を楽しんでください。