白壁の蔵が軒を連ねる倉敷美観地区にある「大原美術館」は、偉大な作家たちの作品を展示する歴史ある美術館です。今回は、倉敷・大原美術館の概要とアクセス方法、見どころについてご紹介します。
大原美術館ってどんなところ?
岡山県倉敷市に位置する「大原美術館」は、エル・グレコやモネなど数多くの巨匠の作品を所蔵・展示する西洋美術中心の美術館です。倉敷の実業家・大原孫三郎によって、亡くなった友人画家である児島虎次郎を偲んで1930年に創立された日本初の私立美術館として知られています。
敷地内は3つの建物に分かれており、「本館」では西洋美術、「分館」では日本近代洋画、「工芸・東洋館」では東洋古美術などを展示、オリジナルグッズやアート書籍を扱うミュージアムショップなどもあります。歴史ある建造物そのものも見ごたえがあり、創立当時のままの本館はギリシャ神殿さながらの優美な雰囲気が漂っています。
そのほか、旧紡績工場を改築活用した複合観光施設「倉敷アイビースクエア」内に「児島虎次郎記念館」を設け、虎次郎が収集した日本の近代美術、古代エジプト美術などが展示されています。(児島虎次郎記念館は2018年12月27日閉館予定)
大原美術館の開館時間、料金
開館時間
9:00~17:00(入館は16:30まで)
休館日は毎週月曜日です。
料金
一般:1,300円
大学生:800円
高校・中学・小学生:500円
大原美術館へのアクセス
電車で
JR山陽本線「倉敷駅」より徒歩約15分
車で
・山陽自動車道「倉敷I.C.」より約20分
・瀬戸中央自動車道「早島I.C.」より約20分
※大原美術館には駐車場なし。周辺の有料駐車場を利用。
大原美術館の見どころ
時間がなくても絶対見たい!世界的名画
古典派から印象派まで、名立たる作家たちの名作が並ぶ本館は、時間がなくても押さえておきたいメインの場所です。展示されているコレクションの数々は、創始者である孫三郎の支援を受け、友人の虎次郎が3度も渡欧し集めたものです。
なかでも見逃せない作品は、ギリシャ出身の幻想画家エル・グレコの『受胎告知』(1590年頃~1603年)、印象派を代表するフランス画家クロード・モネの『睡蓮』(1906年頃)です。モネの作品は、虎次郎がモネのアトリエに足を運び、やっと譲ってもらったというエピソードが残されています。モネ自身が15年間大切に保存していたお気に入りの作品といわれています。
建物の外も見逃せない!彫刻や睡蓮池
建造物の周囲にも見どころが複数あります。本館入口の両側には、パリ出身の彫刻家ロダンによる『洗礼者ヨハネ』(1880年)と、『カレーの市民―ジャン=デール』(1884年~86年)の2つの彫刻が立っています。また、工芸・東洋館の横にある池には、フランスのモネの自宅にある日本庭園から株分けされた睡蓮があります。2000年に譲り受けたもので、毎年5~10月頃に黄色やピンクの可憐な花を咲かせます。
大原家別邸の日本庭園!新渓園
敷地内の一角には、倉敷紡績の初代社長・大原孝四郎氏の別荘「新渓園」があります。1893年に建てられた和風建築の貴重な建物で、現在は倉敷市が所有しています。一般公開されており、自由に散策できる日本庭園もあります。鯉が優雅に泳ぐ池をはじめ、新緑や紅葉など四季折々の美しい自然が見どころです。建物内部には大広間「敬倹堂(けいけんどう)」、本格的な茶室を有する「游心亭(ゆうしんてい)」などがあり、結婚式や茶会会場として市民に活用されています。
さいごに
一度は聞いたことのある有名作家の作品が並ぶ「大原美術館」。趣ある建造物や、庭園などの見学もできるので、アートに精通していない方でも楽しめるのが魅力です。週末などを利用して、倉敷の大原美術館へ足を運んでみてはいかがでしょうか。