西福寺には日本のミケランジェロと称される江戸時代の名工石川雲蝶の素晴らしい彫刻が数多く置かれています。今回は、歴史と文化のある西福寺の魅力をご紹介します。
西福寺ってどんなところ?
曹洞宗赤城山西福寺は、当初天台宗の寺として始まりました。開山は1534年の室町時代の後期。戦国時代真っただ中という状況での開山でした。幕末期の1860年ごろには、幕府の天領として定められていた西福寺に対して、歴史を守ってきたなどの功績に対して天皇家から菊の御紋を与えられています。
また、西福寺で有名な開山堂は、1857年の幕末期に石川雲蝶が造りました。開山堂にある「道元禅師猛虎調伏の図」など、彫りの繊細さや色の鮮やかさなどが特徴です。西福治開山堂は「越後日光開山堂」という別名が付くほど、評価の高いものになっています。
アクセスや料金
アクセス
最寄りの駅は浦佐駅です。西福寺は、浦佐駅から車で10分の場所にあります。またJR小出駅から車で15分ほどです。
また、路線バスが出ており「虫野上口」から徒歩15分です。
拝観時間・拝観料
拝観時間は9時~15時40分です。拝観料は大人500円、子ども300円。小学生以下は無料。
西福寺の見どころ
開山堂
開山堂は本堂の左隣にあります。開山堂内には、石川雲蝶の数多くの作品を展示しています。特に、道内の天井全面に施された彫刻の「道元禅師猛虎調伏の図」は、見どころとなっています。建築の様式は、鎌倉時代禅宗仏殿構造、屋根は茅葺き二重層、上層部入母屋造り、総欅五間四方、唐破風向拝を有しており、建物自体も見どころの1つです。
本堂
石川雲蝶が絵を描いた襖が有名で、非常に華やかです。ほかにも、大廊下の床板をよく見ると小さなひょうたんや木の葉などの形の埋め木が施されています。この埋め木も石川雲蝶の作品です。石川雲蝶の多彩な面がよく表れている空間になっています。
鐘楼と梵鐘
鐘楼は1850年の建立で、小林源太郎という越後でも有名な彫刻家が手掛けています。細かいながらも大胆な彫り口が特徴です。梵鐘は33体の観音像が描かれており、その素晴らしさは戦時供出時に重要美術品として認められ戻ってきたほどです。今では、年に一度、除夜の鐘として時を刻んでいます。
2つの山門
赤城山西福寺には、赤門と白門と呼ばれる2つの山門があります。赤門は朱色に塗られており、参拝者が最初に通る門です。赤門の前には右側に火除地蔵、左側には「禁葷酒」と刻まれた石碑が並んでおり、それぞれ、地蔵が火災から守り、「禁葷酒」とはお酒やにんにくの禁止を現し、山内の清浄を汚してはならないという戒めの言葉となっています。
白門は危険や悪いものから寺を守るための仁王像が安置されていました。しかし、度重なる地震や風雨の影響で2010年に改修工事が行われています。
赤城大明神と子安地蔵尊
西福寺にある大庭園の奥にひっそりとお祀りされているのが赤城大明神と子安地蔵尊です。赤城大明神は、西福寺が建立された地である赤城山の守り神です。また子安地蔵尊は子宝安産祈願の神様となっています。
さいごに
新潟県の文化財に登録されている西福寺は、越後日光開山堂と称えられる素晴らしい開山堂を持つ、歴史と文化にあふれたお寺です。ぜひ、新潟観光の際には訪れてみてください。