宮城県気仙沼市は、三陸海岸沿いに位置するリアス式海岸が特徴の観光地です。かつて東日本大震災で甚大な被害を受けた場所ですが、今では元の活気ある雰囲気を取り戻しています。自然が作り出した独特の景観スポットや、日本一の水揚げ量を誇る漁港ならではのグルメが魅力です。今回は、気仙沼のおすすめ観光スポットをご紹介します。
気仙沼で自然を満喫できるスポット
徳仙丈山
標高711mの徳仙丈山は、国内最大級のツツジの自生地がある場所です。東京ドーム約10個分の土地に50万本ものツツジが自生しています。毎年5月下旬にはヤマツツジ、レンゲツツジで山一面が赤やオレンジ色に染まる景色が広がり、気仙沼の中でも特に美しい景観が楽しめる場所として人気があります。
初心者でも歩きやすい登山コースが整備されており、歩いて40分ほどで山頂に着くのでピクニックにも最適です。
亀山
亀山は、気仙沼大島の北側にある山で、標高は235mあります。山頂にある展望台からは美しい景色が広がり、気仙沼市内をはじめ、天気が良い時には金華山まで見渡すことができます。その他にも、唐桑瀬戸や浦の浜、田中浜や小田の浜など、気仙沼から見える名所を一望できます。
亀山は気仙沼港からフェリーで25分ほどの距離にあり、海の旅を楽しみながら気軽に訪れることができます。日の出、夕焼け、夜の漁火などどの時間に訪れても雄大な風景が楽しめるため、SNS映えのする写真も撮影できます。
十八鳴浜と九九鳴き浜
気仙沼市には、全国でも珍しい鳴き砂の浜の「十八鳴浜」「九九鳴き浜」があります。どちらも国の天然記念物に指定されており、砂を踏むとキュッキュと独特の音が鳴るのが特徴です。鳴き砂の感触や音は、実際に体験してみないとなかなかわからない独特のものとなっています。
鳴き砂が鳴るのは、この砂浜独特の石英粒の砂の摩擦によるものといわれており、砂が汚れてしまうと音が鳴らなくなってしまいます。そのため、どちらの砂浜も人の手が加わらないように綺麗に整備されており、美しいビーチの景観も楽しむことができます。
巨釜半造・折石
巨釜半造と折石は、気仙沼市のシンボルともなっている景勝地です。海に泡立つ大波が、まるで巨大な釜で湯が煮えたぎっているように見えたことが名前の由来といわれています。
巨釜半造の中にある高さ16m、幅3mの大理石の石柱の折石は、東日本大震災の津波にも耐え抜き、雄々しい姿を残しています。また、巨釜半造と折石付近は日の出スポットとしても有名です。一年を通して美しい日の出の姿を拝むことができます。
モ~ランド・本吉
モ~ランド・本吉は、太平洋が一望できる小高い丘陵地にある牧場です。52ヘクタールもの広大な牧草地に、ウシやウマ、ヒツジなどの動物が飼育されています。ポニー、ヒツジ、ヤギ、ウサギなど、かわいい小動物たちとのふれあいや、乗馬や乳しぼり体験など、牧場ならではの体験プログラムも充実しています。さらに、園内ではバーベキューも楽しめます。
園内には宮城県最長のローラーコースターもあり、自然や体験を楽しめる観光スポットとなっています。
気仙沼でグルメを楽しめるスポット
気仙沼市魚市場
気仙沼市魚市場は、日本一の水揚げ量を誇る三陸沖で獲れた海の幸が集まる魚市場です。回転寿司をはじめ、水揚げされたばかりの食材を使った飲食店が充実しており、三陸沖の新鮮な海鮮グルメを存分に味わえます。
また、魚市場の様子は一般公開されているので、2階のデッキから普段はなかなか見ることのできない漁場の様子を見学することもできます。さらに、魚市場ならではの新鮮な魚介類を購入することもできます。都会ではなかなか手に入らない珍しい魚も豊富に揃っており、お土産にもぴったりです。
気仙沼「海の市」
気仙沼「海の市」は、気仙沼の海の幸が集まる観光物産施設です。海産物を中心とした物販や飲食店が揃っています。地元の名産物であるふかひれ、かつお、さんまなどを使った寿司を味わえます。
気仙沼「海の市」には、飲食店や土産物店のほかにもシャークミュージアムや観光センターといった施設があります。また、全国でも珍しい氷の美術館も人気コーナーの1つです。シャークミュージアムでは、サメの生態と気仙沼の海をキーワードにした展示が行われています。氷の美術館では、世界有数の漁場である気仙沼に伝わる氷の製氷技術を活かした氷の彫刻や氷を利用したプロジェクションマッピングが楽しめます。
道の駅大谷海岸
道の駅大谷海岸は、日本一海水浴場に近い道の駅です。農作物だけでなく、その日の朝に獲れたばかりの新鮮な海産物も販売しています。採れたての新鮮な食材がリーズナブルな価格で販売されている直売センターは毎日多くの人々で賑わいます。
道の駅ならではのご当地グルメも味わえます。併設されている食堂「ビーチメモリー」では、海の幸をふんだんに使った海鮮丼や地元の名産品のふかひれを使ったふかひれラーメンが味わえます。濃厚なバニラアイスにはちみつ味のふかひれがトッピングされているふかひれソフトは、人気のあるメニューの1つです。
気仙沼の歴史や文化に親しめるスポット
鹿折金山資料館
気仙沼には、かつて明治時代に国内十大金山の1つとして数えられていた鹿折金山がありました。鹿折金山資料館は、国内有数の金鉱山として栄えた鹿折金山の歴史を伝える資料館です。三陸ジオパークのジオポイントとして認定されている場所で、気仙沼特有の鉱山の自然や歴史を学ぶことができます。
資料館では、自然の金としては最大級の怪物金「モンスターゴールド」の写真や、奇跡的に発見されたモンスターゴールドの一部、工具、文献などが展示されています。
大谷鉱山歴史資料館
大谷鉱山は、鹿折金山と並び明治から昭和にかけて日本有数の金山として栄えた気仙沼の鉱山です。大谷鉱山歴史資料館は大谷山鉱山の跡地にある資料館で、当時鉱山で利用されていたトロッコや、大谷鉱山で採掘された金鉱石などが展示されています。
大谷鉱山歴史資料館では、鉱山の様子だけでなく、当時鉱山で働いていた鉱山従業員の生活や鉱山の操業の様子などの資料が充実しています。当時では珍しかった写真も多く残っており、当時の気仙沼の暮らしを知ることができます。また、資料館では、砂金採り体験もできます。
リアス・アーク美術館
リアス・アーク美術館は、もともと主に現代美術と歴史民俗資料を中心にした美術館として知られていました。しかし、東日本大震災の後、災害史と災害文化の視点からとらえたさまざまな資料の常設展示を始めたことで、その存在は全国的に有名になりました。
学芸員が直接足を運んで収集した被災物や現場の写真をはじめ、世界でもここでしか見ることのできない展示の数々は、見る人に震災や津波の恐ろしさを伝えています。そのほかにも、気仙沼ゆかりの作家の美術作品や、「食」をキーワードにした民俗資料なども展示されています。
唐桑半島ビジターセンター
唐桑半島ビジターセンターは、三陸復興国立公園と唐桑半島の美しい自然と人々の暮らしを紹介する施設です。映像、写真、模型などを使って、気仙沼周辺の魅力をわかりやすく伝えています。唐桑半島ビジターセンターの目玉である「津波体験館」は、日本初の津波体験施設です。振動、音響、送風などのシステムを駆使してリアルな津波を疑似体験することができます。
また、施設内にあるお土産コーナーでは、唐桑半島の名産品、名物のふかひれスープやとろろこんぶ、民芸品などが販売されています。
さいごに
今でも震災のイメージが残る気仙沼ですが、地元の方々の尽力により、かつての活気を取り戻しています。ご当地グルメや雄大な自然が楽しめる気仙沼は、東北地方でもおすすめの観光スポットです。