沖縄本島・中部に位置する普天満宮(ふてんまぐう)は、太古の遺跡である洞窟内にご神体を祀っている観光スポットです。独特の雰囲気漂うひんやりした洞窟内で、古来の自然信仰を体感してみてはいかがでしょうか。今回は、沖縄中部最大の聖地と称される普天満宮の概要と見どころについてご紹介します。
普天満宮とは?
普天満宮は琉球王府から特別扱いを受けた「琉球八社」のひとつで、琉球王朝時代には、中山王が直接参拝に訪れたほど格式の高い神社です。航海安全、豊漁、五穀豊穣の神様として古くから信仰を集めており、縁結びや安産、学業成就といった結び(所願成就)の御利益があるといわれています。
創建年代は定かではありませんが、普天満の洞窟に琉球古神道神を祀ったことが起源とされ、のちの1450~1460年頃、熊野権現を合祀したと伝えられています。境内には土器や化石が発見されている全長約280m、2つの入り口がある横穴洞穴「普天満洞穴(普天間洞窟)」があり、その中にご神体が祀られています。戦争中は別の場所にご神体を避難し、境内が米軍より開放されたのちの1949年2月、元の本殿に還座されました。戦前の参道には見事な松並木があったといわれています。
参拝時間とアクセス
参拝時間
普天満洞穴参拝時間:10:00~17:00
定休日:年中無休 ※例大祭(旧暦9月15日)は洞窟参観不可
アクセス
住所:沖縄県宜野湾市普天間1-27-10
アクセス:
【車】沖縄自動車道「北中城IC」より約20分(駐車場あり)
【公共交通機関】普天間バス停より徒歩約5分(停車バス路線番号:21・23・25・27・31・52・58・61・77・80・88・90・110・223・227・290)
普天満宮の見どころ
普天満洞穴(普天間洞窟)
参拝場所は、洞窟内に3ヶ所ある広場のうち最も大きな広場「奥宮」です。幅15m、高さ6mの神聖な空間にご神体が祀られています。参拝を終えたら、貴重な遺跡として宜野湾市文化財名勝に指定されている洞窟内を見学しましょう。約3000年前の沖縄貝塚時代の土器や、約20000年前の琉球鹿、琉球昔キョンなどの化石のほか、太古の水流の痕跡(洞穴ノッチ)などが発見されています。
オリジナルの御朱印帳とお守り
普天満宮は、沖縄の伝統染色技法の1つである紅型(びんがた)のオリジナル御朱印帳を販売しています。赤瓦屋根の社殿をモチーフにし、青色をベースに赤やオレンジ、黄色、水色などの色鮮やかなデザインが施されています。これを目当てに、遠くから足を運ぶ参拝客がいるほど人気を集めています。
また、安産御守・子授け御守・縁結び御守・旅行安全守・合格御守など、身近な結びを祈願する多彩なお守りを扱っています。
例大祭
普天満宮では、国家の安泰、世界平和、諸産業の繁栄などを祈願する恒例祭典を年間通して開催しています。なかでも普天満宮を代表する祭祀は旧暦9月15日に開催される「例大祭」です。琉球国王の参拝があったのが9月(旧暦)だったことに由来しています。昔は旧暦9月になると琉球王朝関係者から一般客まで、ご馳走を持参し参拝する習わし「普天満参詣」があったといわれています。
例大祭当日は残念ながら普天間洞窟の参拝はできませんが、境内では歌や踊りなどの沖縄の伝統芸能が披露され多くの観光客で賑わいます。
さいごに
貴重な遺跡である洞窟内にご神体を祀る沖縄・南部の普天満宮。人が少ない早朝を狙って神秘的な雰囲気を独り占めしたいところですが、普天間洞窟の参拝時間は10:00~17:00です。ビーチ遊びやグスク巡りの合間に立ち寄れるように旅行日程を調整しておきましょう。
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