沖縄本島那覇市にある「識名園(しきなえん)」は、沖縄の世界遺産の1つです。琉球王朝時代、中国との外交の場として使用されていた歴史的にも重要な場所で、首里城最寄り駅の首里駅からタクシーで15分ほどのところに位置します。沖縄の歴史と文化に興味のある方は首里城と一緒に回ってみてはいかがでしょうか。今回は、識名園の見どころをご紹介します。
識名園ってどんなところ?
識名園は、1700年代後半に造営されたといわれている琉球王家の別邸です。国王一家の保養所として、また中国からの使者(冊封使)を接待するために利用されていました。冊封使へのおもてなしは中国と良好な関係を維持するための重要な国家事業だったといわれています。第二次世界大戦の沖縄戦でほとんど焼失しましたが、1975年より20年かけて再建されました。2000年12月には『琉球王国のグスク及び関連遺産群』として世界遺産に登録されています。
広大な敷地内は日本と中国、琉球の文化を融合した回遊式庭園になっています。魔物除けのためのS字に曲がった石畳道、中国の太湖石(多数の穴が開いた複雑な岩)を模した奇岩、中国式の東屋、赤瓦葺きの琉球伝統家屋・御殿(うどぅん)などがあり、沖縄独特の風景が広がっています。
開園時間
2018年度の開園時間は次の通りです。
4月1日~9月30日 9:00~18:00
10月1日~3月31日 9:00~17:30
※入園は閉園の30分前まで
休園日は毎週水曜日
※休日または慰霊の日(6月23日)の場合はその翌日
料金
大人400円
小人(中学生以下)200円
※保護者同伴の小学生就学前の小人は無料
アクセス
バス
那覇バス(2番 識名・開南線、3番 松川新都心線、4番 新川おもろまち線、5番 識名・牧志線、14番 牧志開南循環線)にて「識名園前」バス停下車(所要時間約30分)
電車
ゆいレール「首里城駅」よりタクシー約15分
車
那覇空港より一般道を利用、県道222号線入ってすぐ(所要時間約30分) ※無料駐車場あり
識名園の見どころ
美しい植物に囲まれた「心字池」
識名園は「心」という漢字を模した池を中心に構成されています。異国情緒を感じながら、池の周りをゆっくり散策してみまよう。周囲を琉球石灰岩で敷き詰めた池の中には大小の島があり、中国様式の東屋である六角堂、立派なアーチ門が設置されています。また、ていねいに手入れされた美しい植物も見どころです。梅や柳などの日本らしい植物のほか、リュウキュウマツ、ソテツといった沖縄の植物も並ぶ独特の景観が楽しめます。
今も水が湧き出る「育徳泉」
北側には池の水源でもある「育徳泉(いくとくせん)」があり、現在も澄んだ水がこんこんと湧き出ています。この泉には、きれいな淡水にしか生息できないという紅藻類「シマチスジノリ」が群生しており、その紅藻類の発生地として国の天然記念物に指定されています。育徳泉の後ろ側には、この清らかな水を賞賛したという冊封使の碑が建立されています。
琉球の豊かさを示す「勧耕台」
園内の南西側には那覇を一望できる見晴台「勧耕台(かんこうだい)」が設置されています。どこまでも続く那覇の街並み、豊かな田園、緑が生い茂る山々が眼下に広がっており、あえて海が見えないように設計されています。ここを訪れた中国皇帝の使者たちに、琉球の広大さを誇示しようとする政治的策略があったと伝えられています。
さいごに
中国と良好な外交を続けるために造園された識名園。日本の従属国であった琉球王国の巧みな政策が見え隠れするロマンあふれる場所です。那覇市には「首里城」、「園比屋武御嶽石門(そのひゃんうたきいしもん)」、「玉陵(たまうどぅん)」、そして「識名園」と4つの世界遺産があります。那覇を拠点に観光する方は、那覇市の世界遺産巡りをしてみてはいかがでしょうか。
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