古代文明発祥の地がエーゲ海に面したギリシャです。ギリシャはパルテノン神殿のあるアテネや神託の地であるデルフィがあるメインランドと、デロスとなどがあるキクラデス諸島から構成されています。神々の足跡が各地に残るため、パワースポットにあふれています。今回は、そのなかでも特にパワーの強そうな場所を紹介します。
パルテノン神殿で古代へタイムトリップ!
ギリシャの首都アテネを見下ろすのが古代遺跡アクロポリスの丘です。海抜150メートルの高さにあるアクロポリスは、神々の住む場所として古代アテネ人の信仰の中心地となっていました。この丘は3方向を絶壁で囲まれており、西側から伸びる参道でアプローチします。登ってゆくと、まずプロピュライアと呼ばれる門があります。門の左横にはローマの政治家アグリッパの彫像の台座があり、古代の宝物庫跡もあります。右側にはイオニア式の柱を持つアテナ・ニケ神殿があります。それらを抜けて丘の上に出ましょう。
すると、左手にはエレクティオン神殿があります。カリアティードと呼ばれる6体の女神像が柱となって屋根を支える優雅な建築です。そのエレクティオン神殿の向かい側に、巨大かつ豪壮なパルテノン神殿が鎮座しています。正面ファサードには8本のドーリア式の柱が建てられています。創建当時には内部に黄金のアテネ像があったといわれ、都市国家アテネ最大のパワースポットだったのです。
デルフィで神々の息吹を感じてみる
古代マケドニアのアレクサンダー大王が東方遠征に行く際に、神々にうかがいを立てたのが、ギリシャ北部の山岳地帯デルフィにあるアポロン神殿です。デルフィは古代地中海世界全土から信仰を集めていたパワースポット中のパワースポットと言えます。アポロン神殿の地下にはオンファロスと呼ばれる「世界のへそ」があり、その聖なる石のある空間で巫女たちが神託をおこなっていたようです。現在は残念ながら失われているのですが、博物館で複製を見ることができます。
デルフィの神域は山の斜面にあり、宝庫や神殿などが立ち並ぶ参詣路が整備されていました。現在も同じところを歩きながら古代の神々の息吹を感じることができます。首都アテネから約200キロメートル離れていますが、日帰りも可能です。古代から続く世界最古のパワースポットのひとつにぜひ訪問してみましょう。もし、スケジュールに余裕があるのなら1泊するのもおすすめです。なぜなら、朝靄に煙るデルフィの神域を体験できるからです。自然を超えた存在を感じさせるに十分な幻想的な雰囲気に浸ることができます。
名医アスクレピオスのエピダウロス
ギリシャ神話に登場するアスクレピオスは名医として知られています。その生誕の地とされるのが、ペロポネソス半島の東部にある港湾都市遺跡エピダウロスです。太陽神アポロンの子で、全能の神であるゼウスの孫でもあったアスクレピオスは、死者をも蘇らせる力を持つ医者であったとの伝承があります。この地には神殿が建てられて、人々のアスクレピオス信仰の聖地アスクレペイオンと呼ばれました。各地から病人たちが巡礼し、彼らを癒す宿泊施設や温泉があったのです。
現代でも、遺跡としてその痕跡をたどることができます。また、エピダウロスにはギリシャの円形神殿が非常に良い保存状態で残っています。紀元前4世紀にポリュクレイトスの息子により設計されたといわれ、背景となる自然の景観と一体化して、有機的な建築の姿を今に伝えているのです。この円形劇場に足を運んだら、舞台の真ん中でコインを落としてみましょう。客席の最上段にいても明瞭に聞き取れるほどの音響効果に驚くことでしょう。
ギリシャでお気に入りのパワースポットを見つけよう!
ギリシャには今回紹介した場所以外にも多くのパワースポットが存在します。ある程度の規模を持つ遺跡には、必ずと言っていいほど神殿があります。廃墟となった神殿で、古代の宗教儀式を想像してみてください。観光客でにぎわう有名な観光地から、ちょっと落ち着いた郊外の都市遺跡まで、お気に入りのパワースポットを探してみましょう。