湯涌温泉(ゆわくおんせん)は、石川県金沢市の東南部の山間にある温泉地です。規模こそ小さいものの、開湯から千三百年を迎える歴史ある温泉地で、金沢温泉郷を代表する温泉です。金沢市内からのアクセスも比較的よく、注目すべき観光スポットも近隣にいくつかあるため、人気を集めています。今回は初めて訪れる方もそうでない方も、事前に押さえておきたい湯涌温泉の概要と見どころについてご紹介します。
湯涌温泉とは?
湯涌温泉は、金沢市の市街地から車で30分程度の位置にある、小規模な温泉地です。9軒の旅館と、日帰りで入浴ができる「総湯 白鷺の湯」があります。アクセスが良いにもかかわらず、人里離れた環境でのんびり過ごすことができるため、金沢で温泉に入りたい場合はぜひ選択肢に入れるべきでしょう。
湯涌温泉の見どころ
復元された「氷室」って?
冷凍庫のなかった時代、夏の氷は貴重品でした。そこで金沢ではかつて、冬の間の雪を「氷室」と呼ばれる茅葺き屋根の設備に貯蔵し、江戸時代には夏になると徳川将軍に献上していました。庶民は夏に貴重品の氷を食べることはできませんでしたが、麦で作った「氷室饅頭」を食べて無病息災を願っており、この習慣は現代にも受け継がれています。文明の発展した現代では氷室は不要なものとなりましたが、こうした歴史的経緯から氷室の復元が行われ、かつてと同じように氷を貯蔵して東京へ送るという行事が行われるようになりました。
竹久夢二ゆかりの「金沢湯涌夢二館」
大正ロマンを代表する美人画で知られる竹久夢二はかつて湯涌温泉を訪れ、愛する女性とともにしばらくの時期を過ごしたことが知られています。そのゆかりから、湯涌温泉には2000年に「金沢湯涌夢二館」が開館しました。ここには700点以上の作品などが集められています。また、温泉の守り神とされる薬師寺の境内には、夢二の詠んだ「湯涌なる 山ふところの小春日に 眼閉ぢ死なむときみのいふなり」という歌が刻まれた歌碑があります。
金沢湯涌江戸村
250年以上にわたり戦乱・政変が起こらず平和が続いた江戸時代、「百万石」の最大の藩であった加賀藩の文化や生活は、江戸(東京)と並んで、時代を代表するものだったといわれています。かつてこの時代の民家を多く移築し公開してきた「旧江戸村」がありましたが、この閉鎖に伴い金沢市が民家施設を引き継ぎ、新たに「金沢湯涌江戸村」を開設しました。
小松空港から湯涌温泉へのアクセス
小松空港から湯涌温泉へは、バスまたは車でアクセスできます。
所在地:石川県金沢市湯涌町、湯涌荒屋町
公共交通機関で
小松空港から金沢駅までは、小松空港リムジンバスなどでアクセスできます。所要時間は約40分です。金沢駅からは路線バスを利用し、湯涌温泉バス停で下車します。この間の所要時間は50分ほどです。
車で
小松空港から北陸自動車道を利用すれば、金沢市内までは約35分です。市街地から湯涌温泉までは、30分ほどでアクセスできます。
さいごに
魅力的な観光地もある湯涌温泉は、ぜひ訪れてみたいスポットです。金沢市内からの日帰りも可能なので、あわただしい市内観光に疲れてしまったときには、ゆっくりとお湯につかりに行ってみてはいかがでしょうか。
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