偕楽園は、岡山の後楽園・金沢の兼六園と並ぶ日本三名園のひとつです。茨城県水戸市にあり、水戸駅からも近い場所に位置する日本庭園で、非常に多くの美しい梅で知られています。国の史跡・名勝に指定されていて、隣接する拡張部を含めた「偕楽園公園」は、都市公園としては世界第2位の広さです。今回は、事前に押さえておきたい偕楽園の概要と見どころについてご紹介します。
偕楽園とは?
偕楽園は、江戸時代に徳川幕府の親藩であった水戸藩の徳川斉昭(徳川慶喜の父)によって命ぜられ建設されました。開園は1842年です。偕楽園という名は、斉昭が「領民と偕(とも)に楽しみたい」と自ら名づけました。その考えを受け継ぎ、今でも偕楽園は入場無料となっています。水戸駅からもアクセスが容易で、特に梅の花の季節には多くの観光客でにぎわっています。
偕楽園の見どころ
見逃せない「水戸の梅まつり」!
水戸の梅まつりは、毎年梅の見ごろとなる2月20日~3月31日ごろまで行われています。この起源は、明治33年(1900年)に2月の最終日曜日が第一観梅デーとされたことから始まりました。この日には、偕楽園内で「野点茶会」や野外での琴の会などが行われます。また観光客が非常に多く訪れるため、臨時駅として偕楽園駅も開設されます。
3月上旬~中旬にかけては「光の散歩道」というライトアップイベントが行われます。夜に鮮やかに照らされる梅の花は、昼に見るものとはまた異なる趣があり、大変人気です。
梅だけじゃない! ほかにも多彩な「まつり」
偕楽園といえば梅のイメージですが、他の植物も豊かです。4月前半には「水戸の桜まつり」が行われ、後半から5月にかけては「水戸のつつじまつり」があります。9月には「水戸の萩まつり」、11月には「もみじ谷のライトアップ」があります。偕楽園は梅の季節だけでなく、一年を通して楽しむことができます。
植物以外の見どころは?
有名な建築物として、徳川斉昭が自ら設計した「好文亭」があります。木造3階建ての建築物で、木造平屋建ての奥御殿もあります。斉昭が好文亭に人々を集めて詩歌の会などを行ったことが伝えられています。このほかにも斉昭の直筆で記された偕楽園記碑や、正岡子規の句碑などを見ることができます。
茨城空港から偕楽園へのアクセス
茨城空港から偕楽園へは、バスなどの公共交通機関または車でアクセスできます。
所在地:茨城県水戸市見川
公共交通機関で
茨城空港から偕楽園までは、路線バスを利用するのが便利です。乗り換えなしで、約1時間で到着することができます。茨城空港に電車が通っていないため電車でのアクセスは不便ですが、梅まつり期間には偕楽園まで徒歩5分の偕楽園駅が臨時に開設されます(土日祝のみ)。ただし水戸行きの下り列車しか停車しないため注意が必要です。
車で
小松空港から県道18号線などを利用して、偕楽園まで約35分で到着します。
さいごに
日本三名園に数えられる偕楽園は、一度は訪れておきたい観光地です。梅の季節はもちろん、その他の季節にも見どころは多いですので、北関東を訪れる際にはぜひ検討してみましょう。