南北に細長い形をし、地域によって違った魅力が楽しめる石川県。南側では加賀百万石の城下町や歴史的な名所が残り、北側の日本海に突き出た能登半島では海岸の絶景スポットなどがたくさんあります。そして各地で温泉が充実しているのも特徴です。今回は石川県の観光スポットを厳選し、4つのエリアに分けてご紹介します。
金沢エリア(金沢市)
兼六園
江戸の代表的な大名庭園で、日本三名園のひとつ。1676年に築庭され、加賀藩の歴代藩主により約180年に渡って造られました。回遊式の広大な庭園で、園内には池や曲水、築山、茶屋などに立ち寄りながら、ゆったりと散策が楽しめます。春は桜、夏はカキツバタ、秋は紅葉、冬は雪吊りと色彩豊かな四季折々の自然美を堪能できます。隣接する金沢城も必見です。
住所 石川県金沢市兼六町1-4
妙立寺(みょうりゅうじ)
別名「忍者寺」と呼ばれる加賀藩祈願所。三代藩主前田利常の命により1643年に創建されました。金沢城の祈願所としてだけでなく、出城の役目も。落とし穴や隠し階段、落とし穴階段などの仕掛けが施され、迷路状の複雑な構造をしています。本堂屋根の突起部分に、金沢城を見渡せる物見台があるのが特徴です。拝観は予約制なので注意が必要です。
住所 石川県金沢市野町1-2-12
ひがし茶屋街
金沢三茶屋街のひとつで、情緒あふれる街歩きスポット。優美な出格子を特徴とするお茶屋建ての町屋や料亭が軒を連ね、今もなお古い街並みが残っています。日が落ちると軒灯がともり、三味線や太鼓の音が聞こえてくる美しい日本を感じられる場所です。お茶屋建築の見学もでき、金箔、加賀友禅などの工芸品のお買い物、和菓子などの食べ歩きも楽しめます。
住所 石川県金沢市東山
金沢21世紀美術館
金沢の新しい文化のシンボルで、現代アートの美術館。金沢の中心部に位置し、こどもから大人まで気軽に楽しめる公園のような存在です。有料の展覧会ゾーン、無料の交流ゾーンに分かれ、野外では、五感を使って鑑賞する建物と一体化した大型の作品があります。なかでもレアンドロ・エルリッヒ作の「スイミング・プール」が人気です。
住所 石川県金沢市広坂1-2-1
湯涌温泉(ゆわくおんせん)
金沢市街から一番近い温泉地。開湯1,300年の歴史ある名湯で、藩政時代に加賀歴代藩主の湯治場として栄えました。山あいの自然の中で、総湯(共同浴場)、足湯が楽しめます。大正時代には画家・竹下夢二が恋人と訪れたことから「ロマンの湯」としても知られ、美術館や句碑などのゆかりのスポットもあります。
住所 石川県金沢市湯涌町イ1番地(湯涌温泉観光協会)
白山エリア(白山市)
白山恐竜パーク白峰
白山恐竜パーク白峰は化石発掘体験が人気の恐竜をテーマしたテーマパークです。野外に中生白亜紀前期の地層から採取した岩があり、なかなかできない化石探しを楽しめます。館内では恐竜時代のジオラマや恐竜骨格のレプリカ、動植物の化石などが展示されています。そのほか、芝生広場にはメガロサウルスなどの実物模型も展示されています。パーク内には、40mのスライダーや遊具があり、アスレチックも満喫できます。
住所 石川県白山市桑島4-99-1
獅子吼高原(ししくこうげん)
標高650mに位置するレジャースポット。ゴンドラに乗って手軽に高原遊びが楽しめます。山頂からは絶景が広がり、加賀平野をはじめ、遠くのアルプス連峰や日本海が一望できます。北陸のハング&パラグライダーのメッカで、タンデムフライトなどの体験できます。散策路やカフェでゆったりした時間も過ごせます。
住所 石川県白山市八幡町リ110
白山比咩神社
白山比咩神社は、全国に3,000余社ある白山神社の総本社です。日本三霊山のひとつに数えられる白山を御神体と仰ぎ、「白山さん」の名で親しまれています。縁結びの神として有名です。約250m続く表参道は堂々とした古木に囲まれ、なかには樹齢1,000年と伝わる大ケヤキもあります。宝物殿には国宝の剣など、重要文化財が数多く収蔵されています。
住所 石川県白山市三宮町ニ105-1
白山白川郷ホワイトロード
石川県と岐阜県を結ぶ白山国立公園内のドライブコース。高山植物や野生動物が生息する雄大な自然を眺めながら、全線33.3kmを1時間程度でドライブできます。途中には、見る角度や水量によって異なる姿を見せる「しりたか滝」など見逃せない観光スポットが数多くあります。沿道一番の名所は、落差86mの「ふくべの大滝」。水しぶきが道路を覆うこともあります。
住所 石川県白山市尾添地内(中宮料金所)~岐阜県大野郡白川村字鳩ヶ谷地内(馬狩料金所)
加賀エリア(加賀・小松)
鶴仙渓(かくせんけい)
山中温泉街に流れる大聖寺川の渓谷。渓谷沿いの遊歩道は人気の散策スポットです。斬新なS字型デザインの「あやとりはし」、総ヒノキ造りの「こおろぎ橋」、松尾芭蕉を祀る「芭蕉堂」、書院造りの武家屋敷ギャラリー「無限庵」など見どころが数多くあります。鶴仙渓は、紅葉の名所としても知られ、秋には多くの観光客で賑わいます。
住所 石川県加賀市山中温泉東町1丁目~こおろぎ町
月うさぎの里
ウサギの逸話が残る永井町にある、ウサギのテーマパーク。その昔、ウサギが村を水害から救ったといういい伝えがあり、ここでは幸せやツキを招くものとして親しまれています。屋外の広場では、たくさんのウサギが自由に遊びまわり、エサをあげたり、抱っこしたりふれあいが楽しめます。併設されているショップには、かわいいウサギグッズも販売しています。
住所 石川県加賀市永井町43-41
加賀・伝統工芸村ゆのくにの森
加賀・伝統工芸村ゆのくにの森は、加賀の伝統工芸品を体験・創作できる観光スポットです。九谷焼の絵付けやろくろ回し、友禅染、和紙造り、金箔張りなど、50種類以上のコースがあります。職人の技が光る伝統工芸品のギャラリーでは、お買い物の楽しみも。敷地内は築100年以上の江戸・明治時代の古民家が点在し、懐かしい日本の原風景が再現されています。
住所 石川県小松市粟津温泉ナ-3-3
那谷寺(なたでら)
自然智(じねんち)の教えを今に伝える白山信仰の寺。717年に白山を開山した僧・泰澄(たいちょう)によって開創されたといわれています。自然智とは、岩屋などの中で「あるがままという本来のあり方を求める行」のことです。境内には、奇岩にいくつもの岩屋を有する奇岩遊仙境(きがんゆうせんきょう)、「いわや胎内くぐり」ができる本殿など、どれも見ごたえがあります。宝物館には貴重な茶道具や祭器具などが展示されています。
住所 石川県小松市那谷町ユ122
山代温泉
山代温泉昔ながらの温泉文化が色濃く残る、石川県の名湯です。同じ地でも異なる3つの泉質を楽しめます。江戸時代は「総湯」と呼ばれる共同浴場を囲むように街並みが形成され、湯治場として栄えていました。その当時の雰囲気、入浴方法を体験できる「古総湯」が人気で、明治時代の総湯が忠実に復元されています。
住所 石川県加賀市山代温泉北部3-70(山代温泉観光協会)
能登(輪島・七尾・羽咋)
白米の千枚田
小さな田んぼが幾重にも重なる絶景スポット。日本海に面する高洲山の傾斜面にあり、1.2haに渡って田んぼが海岸まで続いています。季節や時間によって違った表情があり、春には水面が青空を映してキラキラと輝き、夏には鮮やかな緑が広がり、秋にはサラサラ揺れる黄金色の稲穂で覆われます。夕暮れ時の真っ赤に包まれる幻想的な光景も見逃せません。絶景を撮れることもあり、写真スポットとしても人気があります。
住所 石川県輪島市白米町
千里浜なぎさドライブウェイ
波打ち際を車で走れる、国内唯一の砂浜。全長約8kmで、バイクやバス、自転車でも走行できます。走行できる理由は、砂の粒子が細かく、さらに海水を含んで固く締まっているためです。地平線を眺めながら心地いい潮風を感じられる、ほかにはない爽快さを感じられるドライブコースです。夕日を見ながらのドライブは特におすすめです。
住所 石川県羽咋市千里浜町~宝達志水町今浜
巌門(がんもん)
険しい断崖が続く海岸の景勝地・能登金剛を代表する名所。浸食によってぽっかりと穴が開いた洞門の上には老松が生い茂っています。幅6m・高さ15mの穴の向こうに日本海が広がり、自然が織りなす造形美を堪能できます。鷹の巣岩や碁盤島(ごばんじま)を巡る遊覧船に乗れば、趣の異なる迫力が楽しめます。
住所 石川県羽咋郡志賀町富来牛下巌門
のとじま水族館
のとじま水族館は、ジンベイザメがいる人気の水族館。能登半島近海の魚を中心に約500種4万点の海の生きものが展示されています。世界最大級の魚・ジンベイザメが巨大な水槽で優雅に泳ぐ姿は迫力満点。イルカのトンネル水槽や幻想的なクラゲコーナーのほか、イルカ・アシカショー、ペンギンのお散歩タイムなどのイベントも充実しています。
住所 石川県七尾市能登島曲町15部40
和倉温泉
有名旅館や大型ホテルが立ち並ぶ北陸有数の温泉地。七尾湾の雄大な景色、新鮮な海の幸が堪能でき、能登半島の観光拠点にぴったりの立地です。地元民も通う手軽な日帰り湯もあり、レンタサイクルでサクッと湯めぐりも楽しめます。温泉街では、天然の塩分を含んだ温泉卵をぜひ。全国的にも珍しい「海の温泉」ならではの味わいです。
住所 石川県七尾市和倉町2-13-1(和倉温泉観光協会•和倉温泉旅館協同組合)
さいごに
歴史や趣ある街並み、日本海の絶景も楽しめる石川県。エリアよって特色があるので、好きな観光ジャンルをコンパクトに回りやすいのが魅力です。時間がある方なら温泉でゆっくりして、県内をぐるっと巡ってみてはいかがでしょうか。