徳島といえば、「阿波おどり」と「鳴門の渦潮」を思い浮かべる人が多いようです。これらは徳島を象徴する代名詞ともなっています。もちろん、徳島の魅力はそれだけではありません。中央にそびえ立つ荒々しい四国山地、高知から徳島にかけて流れる吉野川、良質な水質で知られる徳島最長の那賀川などの豊富な水資源があり、こうした豊かな自然から形成された魅力的な観光スポットがたくさんあります。今回は、そんな徳島を満喫できる9箇所のスポットをご紹介します。
徳島の大自然を満喫できる観光スポット
1.鳴門海峡
徳島の観光スポットで代表的な鳴門の渦潮は、瀬戸内海と紀伊水道との間にあるわずか1.3kmの鳴門海峡で発生します。海峡の地形、1日2回ずつある潮の満ち引き、太陽・月の引力などさまざまな条件が作用し、激しい潮流となって直径約20メートルにもなる渦潮が発生しまさ。渦に飲み込まれてしまいそうな大迫力の光景は、自然の神秘そのものを感じ取ることができます。おすすめの見頃は新月・満月の頃です。渦潮の発生しない時間帯もあり、毎日変動するので、関連サイトなどで公開されている時間をチェックしておくとよいでしょう。
渦潮を間近で安全に見たいなら、観潮船でのクルージングがおすすめです。激しい潮流も体感できます。こどもも乗船可能です。徳島側からは、予約不要の大型客船「わんだーなると」と予約制の小型艇「アクアエディ」が運行しています。
住所:徳島県鳴門市鳴門町
2.眉山
標高290mの眉山は徳島市のシンボルです。どの方向から見ても眉の形をしているから、というのが名前の由来といわれています。徳島市内中心部からのアクセスも良く、ロープウェイで山頂まで行くことができます。山頂の眉山公園からは徳島の街並み、瀬戸内海の島々を360度見渡せます。晴れた日には淡路島や紀伊半島まで見渡せます。また、四季折々の花々が咲き誇る花のカスケードも見どころの一つです。夜景スポットとしても人気なため、カップルもたくさん訪れます。
山頂のフェンスにずらりとかけられている南京錠は、恋人達が永遠の愛を誓ってかけた物です。フェンスの最上部には第69代横綱白鵬夫妻の名前も刻まれています。カップルで訪れた記念に付けてみてはいかがでしょうか。
住所:徳島県徳島市眉山町
3.祖谷のかずら橋・奥祖谷二重かずら橋
秘境・祖谷渓の断崖を結ぶかずら橋は、全てシラクチカズラで作られています。歩くごとにユラユラと揺れ、隙間からは吉野川の激流が臨めるとあってスリル満点です。19時~21時の2時間はライトアップされ、幻想的な光景を楽しむことができます。また、祖谷のかずら橋から車で1時間の場所にある奥祖谷二重かずら橋は、男橋と女橋の二対を総称した橋です。女橋は男橋よりも上流沿いにあり、小さいのが特徴です。これらは平家の落人が追っ手から逃げるため切り落としやすいようにシラクチカズラで作った、または訓練に通うために作ったという説があります。昔から周辺の村々を結ぶ生活の要として大事にされてきました。
奥祖谷二重かずら橋のすぐ傍には、一人用の籠に乗り手でロープをたぐり寄せながら渓谷を渡るロープウェイ「野猿」が設置されています。渓谷の四季折々の自然を眺めながら昔の移動手段を体感できます。
[祖谷のかずら橋]
住所:徳島県三好市西祖谷山村善徳162-2
[奥祖谷の二重かずら橋]
住所:徳島県好市東祖谷菅生620
4.大歩危峡・小歩危峡
大歩危峡・小歩危峡は四国山地を流れる吉野川の激流によって形成された約8kmの渓谷です。2億年の月日を経て作られた美しい岩肌はまるで彫刻のような美しさです。春は桜、夏は新緑、秋は紅葉、冬は雪景色と1年を通じて四季折々の自然を楽しめます。大歩危は国指定の天然記念物にも指定されています。そのユニークな名前は、大股で歩くと危ないから大歩危、小股で歩いても危ないから小歩危というなど、諸説由来があります。吉野川の激流を体験できる川下りやラフティング、11月の1ヶ月間のみ運行するトロッコ列車など、大歩危・小歩危の魅力を味わえるアクティビティも豊富にあるので、ぜひ体験してみましょう。
高知から徳島にかけて流れる吉野川、その上流に位置する大歩危・小歩危は激流スポットです。世界有数のラフティングの名所としても有名で、国内外からその激流を体感しようと多くの観光客が訪れています。初心者は認定インストラクターが乗船するツアーがおすすめです。濡れても構わない服装を用意し、万全の体制でチャレンジしましょう。
アクセス:JR大歩危駅下車、徒歩30分~1時間
5.剣山
剣山は、四国で2番目に高い標高1955mの霊峰です。日本百名山の一つにも選ばれており、なだらかなので登山初心者にもおすすめです。白い木肌が印象的な白骨林が特徴です。春のシャクナゲを始め、四季折々の高山植物を楽しむことができます。標高1400m付近の見ノ越までは車で行くことが可能です。また、見ノ越から頂上まではリフトを使って約1時間で登ることができます。登山道は整備されていますが、天気が良い日は阿蘇山脈や石鎚山を見渡すこともできます。眼下に広がる雲海に山々が浮かぶ光景はまさに絶景です。
住所:美馬市木屋平・那賀郡那賀町・三好市東祖谷
アクセス:徳島阿波おどり空港から車で約2時間8分
徳島のアートや文化を楽しめる観光スポット
1.大塚国際美術館
年間を通じてさまざまなイベントを開催している大塚国際美術館では、2017年7月21日~9月30日まで名画の登場人物のなりきるアートコスプレ体験を開催しています。衣装は35着用意されているので早い者勝ち。名画の隣で記念撮影というユニークな体験ができるのも大塚美術館ならではです。
住所:徳島県鳴門市鳴門町土佐泊浦字福池65-1
2.阿波おどり会館
400年の歴史を持つ阿波おどりを楽しめるスポットです。建物は提灯をイメージした逆台形のユニークな形をしています。2階の阿波おどりホールでは、1日4回、40分間の阿波おどり公演が上演されています。見るだけでなく、舞台公演後は一緒に踊ることも可能です。踊り方がわからなくても丁寧にレクチャーしてくれるので安心して楽しめます。本来なら年に1回しか見ることができない阿波おどりを、間近で見ることができるのはここだけです。3階は阿波おどりの歴史と魅力を紹介したミュージアムが併設されています。衣装や鳴り物、資料などが展示されています。阿波おどりがどのような変遷を辿り、現在に至ったのかを学ぶことができます。また、会館5階は眉山ロープウェイ山麓駅があり、そのまま眉山に直接行くこともできます。
住所:徳島県徳島市新町橋2-20
3.うだつの町並み
「うだつの町」は、江戸時代に藍染めで栄華を極めた港町です。町の名前でもあり、「うだつが上がらない」という言葉の由来である「うだつ」とは、隣家の境界に設置された土作りの防火壁のことを表します。このうだつを作るにはかなりの費用がかかるため、富の象徴でもあります。裕福な商人達が競ってこのうだつを作ったため、町のシンボルとなりました。大通りには江戸の情緒を残す町屋が50戸立ち並んでいます。
美馬市観光交流センターでは、ハンカチの藍染めを体験できます。ハンカチ以外にも染めてみたい物があれば持込みも可能です。
住所:美馬市脇町南町
アクセス:JR徳島線「穴吹駅」下車、車で約10分
4.日和佐うみがめ博物館カレッタ
うみがめの産卵地もあり、関係も深い徳島には、なんとうみがめ専門の博物館があります。館内にはうみがめの剥製やかめの進化の過程が展示されており、世界最高齢のアカウミガメ浜太郎や可愛らしい子がめの遊泳も鑑賞できます。また、ウミガメにおやつをあげることも可能です。可愛らしいうみがめの世界を堪能しましょう。
日和佐港からは、通り岩、千羽海崖、えびす洞のなどうみがめに縁の深い景勝地をクルージングする「うみがめマリンクルーズ」がおすすめです。最低運行人数は大人4名です。団体割引もあります。クルージングの前後には新鮮なあわびや伊勢エビをたっぷり使った猟師めしを味わえるオプションがあります。
住所:海部郡美波町日和佐浦370-4
さいごに
今回は徳島を存分に堪能できる定番スポットをご紹介しました。これから本格的な夏の観光シーズンを迎えるにあたり、どこに旅行しようか悩んでいる人は、ぜひ徳島も検討してみはいかがでしょうか。