瀬戸内海に浮かぶ宮島は、年間約420万人以上の観光客が訪れる広島県随一の観光スポットです(平成28年宮島来島者数 廿日市市観光課調べ)。宮島といえば世界遺産に登録されている厳島神社が有名ですが、このほかにも魅力的な観光スポットがたくさんあります。今回は、古から現在まで多くの人々を惹きつける、宮島のおすすめ観光スポットをご紹介します。
宮島へのアクセス
宮島に行くルートはいくつかありますが、JR山陽本線で宮島口駅または広島電鉄で宮島口駅→フェリーに乗るルートが一般的です。JRの方が早く到着しますが、広島の街並みを眺めながら宮島へと向かう路面電車も風情があっておすすめです。
宮島口からは車を積載できるフェリーも運行しています。しかし、宮島の道路幅は狭く交通規制もあり、駐車場も少ないため、観光には不向きです。
フェリーの最終便は20時15分(自動車航送便は17時30分)です。主要な観光スポットを巡るなら最低でも3時間から半日はかかるので、事前に行きたいスポットやルートを考えておきましょう。
観光に便利なメイプルライナー
宮島桟橋からは、島内の主要観光地方面に向かうメイプルライナーという乗り合いタクシーが運行しています。ルート上ならどこでも乗り降り可能です。
徒歩で水族館方面に向かうと30分以上かかるため、時間短縮には最適です。料金は距離にかかわらず大人300円、こども150円で利用できます。
宮島の景観・歴史
宮島は天橋立、松島と並ぶ日本三景の一つです。広島湾最西端に位置し、1周30kmほどの広さです。手つかずの原生林、荘厳な神社仏閣、江戸時代の宿場の佇まいを残したレトロな街並みがマッチした景観は、訪れる人の心を惹きつけます。街中のそこかしこでは、自由に闊歩する愛らしい鹿達の姿を見ることができます。宮島は単純に瀬戸内海の要所としてだけでなく、長らく聖域として扱われてきた場所です。平清盛や毛利元就など多くの偉人達をも魅了してきました。
大鳥居
船上から最初に目にすることができるのが、宮島のシンボルでもある朱塗りの「大鳥居」です。高さ約16.6m、棟の長さ24.2m、総重量60tもの大きさを誇ります。材料には腐りにくいクスの木が使われています。写真を撮影するなら、御笠浜からの眺めがおすすめです。潮の満ち引きや時間の経過によってさまざまな表情を見せてくれます。
住所:広島県廿日市市宮島町
アクセス:宮島桟橋から徒歩で約15分
厳島神社
世界遺産としても有名な厳島神社は、約1400年前に創建された日本屈指の美しさを誇る寝殿造りの神社です。市杵島姫命(いちきしまひめのみこと)、田心姫命(たごりひめのみこと)、湍津姫命(たぎつひめのみこと)の3人の女神を祀っています。平清盛が深く信仰していたことでも知られており、現在の海上社殿に造り替えたとされています。神社をぐるりと囲む廻廊からは、瀬戸内海に浮かぶ大鳥居を見ることができます。中央の高台と呼ばれる小さな舞台では、年間を通じてさまざまなイベントが開催されています。その中でもインドより伝わったとされる「舞楽」は、各楽曲にストーリーが組み込まれており、オリエンタルな雰囲気と壮大な歴史を感じさせる演出がみどころの一つとなっています。年に11回奉納されているので、日程が合えばぜひ一度は見ておきたいイベントです。
住所:広島県廿日市市宮島町1-1
アクセス:宮島桟橋から徒歩で約15分
宮島桟橋から島内タクシーで約7分
その他厳島神社のみどころ
厳島神社宝物館
厳島神社には国宝や重要文化財に指定されている宝物が4500点も収蔵されています。それらの一部を収めているのが、昭和8年に建造された厳島神社宝物館です。当時としては珍しく、コンクリートに朱色の漆が塗られているのが特徴です。厳島神社の平家一門の人々が1巻ずつ書写した平家納経、木彫りの面に彩色を施した還城楽舞楽面など、貴重な歴史資料が公開されています。ただし、常設展示は行われていないので必ずしも目的のものが観覧できるとは限らないようです。
住所:広島県廿日市市宮島町1-1
アクセス:宮島桟橋から徒歩で約19分
宮島桟橋から島内タクシーで約9分
大願寺
厳島神社から徒歩わずか5分の距離にある大願寺は、明治元年(1868年)の神仏分離令までは厳島神社を始め、多くの自社の修理や造営を行っていた由緒ある寺院です。厳島神社は平安時代初期に弘法大師が開いたという説や、鎌倉時代に了海という僧侶によって再興されたという説があります。本堂には国の重要文化財にもなっている4つの仏像が収蔵されています。このうち、薬師如来坐像は弘法大師が作ったとされています。また、大願寺は芸能の神である弁財天を祀っており、日本三大弁財天の一つでもあります。
住所:広島県廿日市市宮島町3
アクセス:宮島桟橋から徒歩で約20分
宮島桟橋から島内タクシーで約10分
宮島内で厳島神社以外のおすすめのスポット
宮島水族館
宮島水族館は、瀬戸内海の生物を中心に約350種、13,000点以上の生物を展示している水族館です。厳島神社の近くにある。マスコットにもなっているスナメリは、頭が良く可愛らしいことから大人気です。愛らしい外見からは想像がつきませんが、瀬戸内海の食持ち連鎖の頂点に位置しているそうです。館内では毎日アシカライブやペンギンふれあいタイムなどのイベントが開催されており、間近で動物たちを見ることができます。
住所:広島県廿日市市宮島町10-3
アクセス:宮島桟橋から徒歩で約25分
宮島桟橋から宮島メイプルライナー(乗り合いバス)で約10分
宮島桟橋から島内タクシーで約10分
大聖院
霊峰・弥山の麓にある大聖院は、島内で最も古い歴史を持つ真言宗御室派の大本山です。806年に唐から戻って来た弘法大師が開創されたという伝承があります。
明治維新までは厳島神社の別当寺として祭祀を担っていた歴史を持ちます。かつて明治天皇行幸の時の宿泊先になるなど、皇室との縁も深い寺院です。大聖院は摩尼殿、遍照窟、大師堂、観音堂、八角万福堂、勅願道の6つの建物を有しており、このうち最も大きい観音堂には弘法大師御作の不動明王像や行基御作の十一面観音菩薩像などが収蔵されており、一見の価値があります。
また、大聖院は恋愛、心願成就など現世御利益の宝庫です。少し時間はかかりますが、1周するだけでほとんどの御利益を得ることができるとあって、厳島神社ではなく大聖院を目当てに訪れる参拝客も多いそうです。
住所:広島県廿日市市宮島町滝町210
アクセス:宮島桟橋から徒歩で約30分
宮島桟橋から島内タクシーで約10分
千畳閣(豊国神社)・五重塔
山の斜面に佇む千畳閣は、豊臣秀頼が戦没した将士を供養するために建立した高床式の大経堂です。しかし、秀吉の死によって未完成のままになっています。下からの眺めも迫力がありますが、857畳の畳みが敷ける広さを持つ大伽藍からは瀬戸内海の島々を見下ろすことができます。風通しが良いので、夏は涼むのにも最適です。千畳閣の隣にある朱塗りの五重塔は、宮島のランドマークのような存在です。天井には龍や葡萄唐草の模様が描かれており、豪華絢爛な装飾が施されています。残念ながら一般公開されていないため、中に立ち入ることはできません。
住所:広島県廿日市市宮島町1-1
アクセス:宮島桟橋から徒歩で約14分
宮島桟橋から島内タクシーで約6分
弥山
標高535mの霊峰・弥山は、針葉樹と手つかずの原生林が残っている自然豊かな山です。かの弘法大師も修行をしていた霊験あらたかな地です。途中までロープウェーで登ることができますが、登山道も整備されているので登山やトレッキングを楽しむ観光客も多く訪れています。山頂までの道は舗装されておらず足下が悪い箇所もあるので、動きやすい服装がおすすめです。途中の道には御山神社や三鬼堂などの神社仏閣があるので、道草がてら参拝することができます。山頂の展望台では瀬戸内海の島々はもちろん、天気が良ければ四国連山のパノラマを楽しめます。コースによって異なりますが、所要時間は徒歩で片道約30~90分かかります。少々キツい道のりですが、山頂まで訪れる価値は十分あります。ロープウェーの最終便は17時30分です。遅れると徒歩で下山することになるので、滞在時間には注意しましょう。
スポットを巡るのはもちろん、水上からの眺めも抜群!
通常のフェリー以外にも、大鳥居に最接近するJR宮島フェリーの「大鳥居便」や、アクアネット広島のガイド付き遊覧船「宮島行大鳥居遊覧航路」が運航しています。厳島神社と大鳥居を海上から写真撮影したい人におすすめです。
宮島はイベントも充実!
宮島の夏といえば、毎年8月末の土曜日に行われる「宮島水中花火大会」が外せません。海中に投げ込まれる水中尺玉100発を含め、約5000発の花火が夏の夜空を華やかに彩ります。海面に映った花火もまた美しく、日本花火百選にも選ばれています。指定席は即完売するため、クルーズ船やツアーを利用するのもおすすめです。
住所:広島県廿日市市宮島町 嚴島神社大鳥居沖
アクセス:宮島桟橋から徒歩10分
日時:2017年8月26日(土) 19:40~20:40
宮島ではグルメも楽しめる!
宮島では、瀬戸内海で漁獲されているカキ、アナゴが有名です。特に新鮮なアナゴに特製のタレをかけたあなごめしはぜひ味わっておきたいです。持ち帰りにも人気の「あなごめし弁当」は、駅弁日本一にも輝いたことがある大人気の名物です。
さいごに
今回は、広島で最も人気の観光エリアである宮島にスポットを当てて紹介してきました。宮島は観光、レジャー、グルメまでまとめて楽しむことができます。広島旅行に訪れたら、ぜひ宮島へ足を運んでみてください。