山口は、平家と源氏の勝敗を決した壇ノ浦の最終決戦の地、そして近代日本の礎を築いた多くの偉人を輩出した地としてお馴染みですよね。山口には維新志士達縁のスポットがたくさんあるので、歴史ファンなら見逃せません。また、同じ県内といえども気候風土が大きく異なり、自然が作り上げた美しい景観は一見の価値があります。今回は、歴史、自然、レジャーまで満喫できる山口のおすすめ観光スポット21箇所をご紹介します。
下関・秋吉台エリアの観光スポット
九州との玄関口でもある本州最西端の下関・秋吉台エリアは、日本海と瀬戸内海の2つの海に面しており、北部と南部では大幅に気候が異なります。下関市内にはJR山陽新幹線新下関駅があり、遠方からアクセスしやすいです。ただし、角島や秋芳洞は下関駅からかなり距離があるため、レンタカーや観光バスでの移動がおすすめです。
1.角島・角島大橋・角島灯台
エメラルドグリーンの美しい海と白い砂浜のコントラストが美しい角島は、山口県で人気の高い観光スポットです
本州と角島を繋ぐ角島大橋は、無料で渡れる一般糖度しては最長の1,780mもの長さを誇ります。ドライブやサイクリングにも最適です。
角島のシンボルでもある角島灯台は、イギリスの技師によって建てられた美しい石造りの灯台です。最上階からは360度の絶景を楽しめます。観覧料は大人(中学生以上)200円、子どもは無料です。
[角島]
住所:山口県下関市豊北町角島
[角島大橋]
住所:山口県下関市豊北町神田~角島
[角島灯台]
住所;山口県下関市豊北町大字角島2343-2
2.秋吉台・秋芳洞
カルスト大地・秋吉台は、まるで日本ではないかのような不思議な光景が広がっています。石灰岩の一つ一つは珊瑚礁が隆起したもので、周辺には石灰岩の隙間を縫うように草原が広がり、年間を通じて多彩な光景を楽しむことができます。
秋吉台の地下には地上の雨水によって浸食された鍾乳洞が点在しています。秋芳洞はその中でも延長約10kmにもなる最大の鍾乳洞です。遊歩道は整備されていますが、一般の観光ルートとして立ち入ることができるのは約1kmまでです。洞内は1年中17℃を保っているので、快適に散策できます。鍾乳洞の性質上ぬかるんで滑りやすくなっているので、散策時には足下に注意しましょう。
また、近くには秋吉台サファリランドがあります。秋吉台サファリランドは、野生に近い状態の動物を間近で見ることができるサファリパークです。車からも見学可能ですが、えさやり体験もできるえさやりバスも運行しています。園内ではアフリカ象、ライオン、チーター、アメリカクロクマ、虎などの人気の高い動物達がたくさん飼育されており、家族はもちろん、恋人とも楽しめるスポットです。
[秋吉台]
住所:美祢市秋芳町秋吉台山
[秋芳洞]
住所:山口県美祢市秋芳町秋吉
3.関門海峡
本州と九州の玄関口でもある下関には、幅約700mの狭い海峡「関門海峡」があります。海峡は船と船がすれ違うのもやっとの狭さ、そして1日4度も発生する急な潮の流れによって古来より難所とされてきました。そんな難所を、今でも日に700隻以上の船舶が通ります。関門海峡は、その美しさと汽笛の音から「残したい日本の音風景百選」にも選ばれています。関門海峡にはかの有名剣豪・宮本武蔵と佐々木小次郎が決闘したといわれている巌流島もあります。島へは定期船に乗って行くことが可能です。島内にはこの決闘シーンを再現した銅像が建てられています。
そんな関門海峡を一望できるおすすめスポットが、標高268mの火の山山頂にある火の山公園の展望台。山頂までロープウェイで登ることが可能です。
[関門海峡]
住所:山口県下関市
[巌流島]
住所:山口県下関市大字彦島字船島648
[火の山公園]
住所:山口県下関市藤ヶ谷(火の山山頂)
4.壇ノ浦
関門橋の麓、源平合戦の最終決戦の場所となった壇ノ浦は平家と源氏の行く末を決めたとされる場所です。現在では戦場であったことが嘘のような、穏やかな場所となっています。
遊歩道が整備されているみもすそ川公園には、源義経が平家の能登守教経に追い詰められている、いわゆる「八艘跳び」を再現した像があります。
住所:山口県下関市みもすそ川町1
5.功山寺
1327年に開山されたとされる日本最古の禅寺様式を残した仏殿を持つ歴史ある寺院です。幕末の英雄・高杉晋作が兵達と共に挙兵した場所としても知られています。馬上の高杉晋作像は、勇猛な姿が再現されています。歴史ファンなら見逃せないスポットです。
境内には毛利秀元をはじめ長府藩主達、大内義長のお墓があります。功山寺は、春の桜、夏の新緑、秋の紅葉、冬の雪化粧と四季折々の美しさを楽しめる名所としても有名です。特に、モミジがたくさん植えられている山門は絵画のような美しい光景が広がり、写真撮影にも絶好のスポットです。
住所:山口県下関市長府川端1-2-3
6.忌宮(いみのみや)神社
忌宮神社は、歴史の長い神社です。日本神話にも登場する仲哀天皇とその后である神功皇后、そしてその息子の応神天皇が祀られています。文武(勝運)と安産に御利益があるといわれており、日々多くの参拝客が訪れています。
「数方庭祭」は、夏大幟と呼ばれる長さ20~30mの大幟と呼ばれる大きな竹を担ぐ男達と、七夕飾りを持つ女達の行列になり境内の鬼石を周る一風変わったお祭りです。毎年8月7日から1週間にかけて開催されます。
住所:山口県下関市長府宮の内町1-18
7.下関市立歴史博物館
下関市立歴史博物館は、下関と周辺地域の歴史資料や研究結果を展示している博物館です。交易の要として重要視されてきた下関のことを学ぶのに最適のスポットです。
特に、近代から幕末維新の資料は見応えがあり、坂本竜馬の手紙は日本一の収蔵数を誇ります。企画・特別展示も維新に関わるものが多く催されており、歴史ファンならずともぜひとも足を運んでおきたい観光スポットです。
住所:山口県下関市長府川端二丁目2-27
8.市立しものせき水族館「海響館」
しものせき水族館関海響館は、門海峡を再現した水槽がある下関市中心部の水族館です。館内には500種20,000点の水生生物が展示されています。
白ナガスクジラの全身骨格標本や、世界のふぐ100種類以上といった下関らしい個性的な展示も人気です。
イルカとアシカが共演するアクアシアター、スナメリのパフォーマンスなど毎日開催されるイベントも見逃せません。
住所:山口県下関市あるかぽーと6-1
9.中山神社・愛新覚羅社
明治維新の先駆者であった青年公卿である、中山忠光が祭神です。境内には、中国清朝最後の工程である、宣統帝薄儀の弟である、愛新覚羅薄傑が祀られています。歴史ファンは必見の観光スポットとなっています。
萩・長門エリアの観光スポット
日本海に面した県北の萩・長門エリアは、かつて萩藩の城下町があった場所です。明治新政府で活躍した政治家を多く輩出したことでも知られています。
萩市内の主要な観光スポットを回る循環バスやレンタサイクル、観光タクシーなどが用意されており、観光に便利です。観光の拠点は各JR駅ですが、北部の青海島は路線バスまたは車でしかアクセスできません。
1.萩の城下町
36万石の城下町として栄えた萩藩の城下町には、武家屋敷やお堀など江戸時代の面影を残している菊屋横町、幕末の英雄高杉晋作、木戸孝允の縁の地があります。武家屋敷の多くには萩名産の夏みかんが植えられており、初夏には町中が爽やかで甘い香りに包まれます。夏みかんを使ったお菓子や料理も味わえます。
町中には萩焼の店や町屋を改装したカフェなど、多くの店が建ち並んでおり、観光はもちろん、ショッピングも楽しめます。
住所:山口県萩市
2.松下村塾
松陰神社の境内にあるこの小さな瓦葺きの平屋からは、明治維新で活躍した多くの維新志士達が世に羽ばたいていきました。しかし、松下村塾が開講していたのはわずか2年半の間だけだったといわれています。
中に入ることはできませんが、高杉晋作、伊藤博文ら維新志士達が青春を過ごした場所として歴史に思いを馳せることができます。
住所:山口県萩市椿東松本市1537
3.千畳敷
千畳敷は、標高333mの高台に広がる草原、眼下に広がる日本海や青海島などの島々を一望できるスポットです。高台にはハマユウ、ツツジなど四季折々の花々が植えられており、青空と海とのコントラストは感動的な美しさを与えてくれます。キャンプ場もあり、夏はレジャーも楽しめます。
バスや列車でのアクセスは困難なので、タクシーやレンタカーでのアクセスをおすすめします。タクシーの場合は約2,000円かかります。タクシーでは、お得な観光プランも用意されているので利用すると良いでしょう。
住所:山口県長門市日置中1138-1
4.龍宮の潮吹・元乃隅稲成神社
龍宮とは、宇津賀半島北端の日本海の荒波に侵食された地形の総称です。潮吹は自然にできた穴から30mもの海水が吹き上がる現象のことです。これらを総称して龍宮の息吹と呼び、まるで龍神が起こしているかのような神秘的な光景が目の前に広がります。
そのすぐ傍には、赤い鳥居が連なる元乃隅稲成神社が建っています。日本に2社しかないとされる「稲成」神社の1つであるこの神社は、白狐のお告げによって分霊されたという伝説を持っています。高台にある大鳥居の頂上には賽銭箱が設置されています。賽銭が入ると願いが叶うといわれています。
住所:山口県長門市油谷津黄498
5.青海島
日本海に浮かぶ青海島は、スキューバダイビングの人気スポットとしても知られています。北長門海岸国定公園を代表するスポット人気スポットです。日本海の荒波によって浸食、形成された荒々しい断崖や岩礁は変化に富んでおり、海上の遊覧船、陸上の遊歩道それぞれの視点から景観を楽しむことができます。
住所:山口県長門市仙崎・通
6.金子みすゞ記念館
日本を代表する詩人・金子みすゞが幼少期を過ごした書店を改装した記念館です。遺稿集、着物などの貴重な遺品の展示、詩の世界を音と光で体感できるギャラリーが併設されています。全国から金子みすゞファンが集う聖地のような存在です。
住所:山口県長門市仙崎1308
山口・防府エリアの観光スポット
瀬戸内海に面している中央部の山口・豊富エリアは、なだらかな平野が広がる地帯です。山口県の産業の中心地です。新幹線のターミナル駅であり、SLやまぐち号の始発駅でもある新山口駅があり、遠方からのアクセスは良好です。主要な観光スポットも街中にあるので、比較的巡りやすいです。
1.国宝 瑠璃光寺五重塔
山口市中心部のシンボルとなっている五重塔は、応永の乱で戦死した大内義弘の菩提を弔うために建てられたといわれている室町時代を代表する建築物です。日本三名塔の一つとしても知られています。
高さは31.2mもあり、上にいくほど細くなる構造です。五重塔のある香山公園は、このほかにもさまざまな史跡があります。
住所:山口県山口市香山町7-1
2.防府天満宮
防府天満宮は、学問の神様である菅原道真を祀っており、日本最初の天満宮として創建された神社です。毎月25日には縁日の「天神市」が開催されており、食品や日用品、雑貨などが販売されています。
2月には境内の梅が咲き誇る花見スポットとしても人気です。敷地内には幕末の志士達縁の史跡も点在しており、高杉晋作の辞世の句があることでも知られています。
住所:山口県防府市松崎町14-1
3.東大寺別院阿弥陀寺
大平山の麓に佇む東大寺別院は、1187年、俊乗房重源上人が後白河法皇の現世安穏を祈るために建立されたといわれています。
境内には80種約4,000本のあじさいが植えられており、あじさい寺として有名なスポットです。新緑の中に浮かぶ華やかなあじさいは、息をのむような美しさです。
あじさいだけでなく、紅葉や雪景色も見ることができ、四季折々で趣の異なる景色を楽しめます。こうした四季折々の花々や景色はもちろんですが、国宝や重要文化財などの貴重な宝も見応えがあります。
住所:山口県防府市大字牟礼上木部1869
岩国・柳井・周南エリアの観光スポット
山口県南東部の岩国・柳井・周南エリアは、新幹線こだま駅が停車する新岩国駅、徳山駅、そして東京からの便が発着する岩国錦帯橋空港があるため、遠方からのアクセスは良好です。
1.錦帯橋
錦帯橋は山口県を代表する観光スポットです。5連のアーチが美しい木造のこの橋は、1673年に第三代岩国藩主吉川広嘉によって創建されたといわれています。
長さは193.3m、幅は5mと間近で見るとひじょうに大きいです。
現在の錦帯橋は4代目にあたります。川沿いにはソメイヨシノや八重桜が植えられており、花見シーズンはより一層美しい光景を見ることができます。
住所:山口県岩国市岩国1
2.白壁の町並み
柳井市古市・金屋地区には、かつて商業で栄えていた頃の面影を残す白壁の商家の町並みが続く保存地区があります。約200メートルも続く路地は、まるで江戸時代にタイムスリップしたかのような風情があります。
柳井の民芸品・金魚ちょうちんをモチーフにしたお盆の金魚ちょうちん祭の頃には、軒先に2,000個以上の可愛らしい金魚ちょうちんが飾られます。
住所:山口県柳井市柳井津(古市・金屋)
3.やまぐちフラワーランド
やまぐちフラワーランドは、1年を通じて四季の花々を楽しめるスポットです。押し花を使ったストラップ、コースターを作れる体験教室やガーデニング講習などが開催されています。家族やカップルでも楽しめます。入園料は高校生以上500円、小中学生は250円です。
住所:山口県柳井市新庄500-1
さいごに
東西に広い山口は、歴史や自然をたっぷりと楽しめるスポットがたくさんあります。今回ご紹介したおすすめのスポットを参考にして、ぜひ山口に足を運んでみてください。