民宿とは？旅館との違いを料金やサービスなどまとめて解説

「旅館」と「民宿」にはどのような違いがあるのかご存知でしょうか。ほとんど同じように思えてしまう「旅館」と「民宿」ですが、実は両者には明確な違いがあります。今回は「旅館」と「民宿」の違いについてご紹介します。
※2024年11月時点の情報です。

「民宿」の定義

民宿の定義は次の通りです。
・民宿は「簡易宿所営業」として許可を得ている施設が多い
・客室の延床面積は33㎡（宿泊者数が10人未満の場合は1人あたり3.3㎡）以上
・適当な規模の入浴設備があり、男女区別されている
・適当な規模の洗面設備を有する

「旅館」と「民宿」に法律的な違いはある？

旅館と民宿に法律上の違いはあるのでしょうか。
旅館業法の条文には「民宿」という単語は記載されていませんが、それに当たる「簡易宿所」という施設の定義について記載されています。旅館と簡易宿所の最大の違いは、面積にあります。旅館は、「一客室の床面積は7㎡以上、（寝台を置く客室にあっては、9㎡メートル）以上であること」と定められていますが、簡易宿所（民宿）は「客室の延床面積が33㎡以上であること」と定められており、一客屋あたりの床面積については細かく決められていません。また、旅館やホテルではフロント（玄関帳場その他これに類する設備）を設けなければならないと定められていますが、簡易宿所にはそのような決まりはありません。

まずは「ホテル」と「旅館」の法律上の違いから知る

皆さんの中には「ホテル＝洋室」「旅館＝和室」というイメージを持たれている方が多いのではないでしょうか。旅館業には「旅館・ホテル営業」「簡易宿所営業」「下宿営業」という3つの区分があり、旅館とホテルの営業は「旅館・ホテル営業」に関する「旅館業法」という法律によって明確に定義付けられています。洋室・和室の決まりはなく、ホテルと旅館の主な違いは「客室の数」や「入浴設備」、「トイレ」などにあります。

「ホテル」の定義

ホテルの定義は次の通りです。
・客室の数は、10室以上であること
・宿泊者の需要を満たすことができる適当な数の洋式浴室又はシャワー室を有すること
・便所は、水洗式であり、かつ、座便式のものがあり、共同用の他に、男子用及び女子用の区分があること
など

「旅館」の定義

旅館の定義は次の通りです。
・客室の数は、5室以上であること
・当該施設に近接して公衆浴場がある等入浴に支障をきたさないと認められる場合を除き、宿泊者の需要を満たすことができる適当な規模の入浴設備を有すること
・適当な数の便所を有すること
など

「ホテル」と「旅館」共通の定義

ホテル・旅館共通の定義は次の通りです。
・洋式の構造設備による客室の床面積は、それぞれ9㎡以上であること
・和式の構造設備による客室の床面積は、それぞれ7㎡以上であること
・宿泊しようとする者との面接に適する玄関帳場その他これに類する設備を有すること
など
ホテルは「客室数が10室以上」で「浴室やトイレの内容については洋式でなければならない」と指定されていますが、旅館の方は「客室数が5室以上」と決められているものの、浴室やトイレについては特に細かい指定はされていません。

※参考：令和5年12月13日施行「旅館業法施行令」

「旅館」と「民宿」のその他の違い

旅館と民宿は、法律で定められていない面での違いもあります。
多くの旅館は年間を通して宿泊施設として営業されていますが、民宿は経営者が農業や漁業などの本業を営なむ傍ら、観光シーズンにのみ副業として行っている場合が多いです。そのため、旅館では女将さんなどの専門スタッフによる「おもてなし精神」あふれるサービスを受けられるというメリットがあり、民宿では、まるで親戚の家に泊まりに行ったかのような懐かしい気分が味わえるという特徴があります。
そのほかにも、それぞれの特徴やメリットには以下のようなものが挙げられます。