よく見かける「空港税」って一体何?
航空券を購入する際によく目にする空港税は、空港を利用する際に支払う税金です。滞在・経由するすべての空港で支払う可能性があるので、経由空港が多くなるほどトータルの費用が高くなります。空港税はさまざまな名称で呼ばれることがあり、日本では「旅客サービス施設使用料」という名前が使われることが多いです。また、空港諸税として「空港施設使用料」や「通行税」、「出国税」および「入国税」が徴収されることもあります。空港税はどの空港も一律ではなく、同じ国の中でも使用する空港や行き先、出発か乗り継ぎかによって支払う金額は異なります。例えば、羽田空港の空港税は国内線で大人370円、小人180円ですが、国際線の出発で大人2,950円、小人1,470円、乗り継ぎで大人1,470円、小人730円、成田空港は国内線で大人450円、小人220円、国際線第1・2ターミナルで出発は大人2,130円、小人1,070円、乗り継ぎで大人1,060円、小人530円です。その他、成田空港では保安サービス料530円が徴収されます。
空港税を支払わなくていいケースもあるって本当?
空港税はその国が独自に定めている税金なので、場合によっては支払う必要がないケースもあります。目的地が日本の場合、飛行機を降りた後も空港内の施設を利用する可能性はありますが、日本では出発と乗り継ぎの旅客のみ空港税を支払います。また、乗り継ぎや乗り換え時間が極めて短い場合などでは、空港税を適用しない国や都市もあります。2歳未満の小さな子どもも空港税を支払わなくて良いですが、2歳以上12歳未満は大人のおよそ半額分の小人料金が適用されます。空港税の多くは航空券に含まれていることが多く、別途空港内で支払うケースはあまり一般的ではありませんが、国や空港、航空会社によっては現地で空港税が徴収される可能性があるので注意してください。
航空券以外の費用の代表「燃油サーチャージ」
純粋なチケット代以外にかかる費用として、燃油サーチャージ(燃油特別付加運賃)があります。こちらは毎回決まった金額をとっておらず、航空券を買ったときの燃料費の価格や航続距離、航空会社などによって値段が上下します。燃油サーチャージは燃料費が高騰した場合にその差額を埋める目的のお金なので、燃油価格が下落している場合は徴収されないこともあるものです。燃油サーチャージは、場合によっては純粋なチケット代よりも高くなることがあるので、航空券を買うときには特に注意してください。中東などの原油がたくさんとれる地域の航空会社では、燃油サーチャージ自体をほとんどとっていないところもあります。原油価格が高騰している時期に海外旅行へ行く場合は、中東の航空会社を利用すると航空券代を安く抑えられる可能性があるでしょう。
空の旅に安心を!「航空保険特別運賃」
2001年9月にアメリカで起きた同時多発テロの影響を受け、同年同月から徴収が開始されたのが航空保険料(航空保険超過負担料)です。これは同時多発テロ後、航空会社が入っている損害保険の掛け金が大幅に上昇したことを受けて始まりました。金額はおよそ500円程度のことが多いです。航空保険料は保安強化や機材にかける損害保険が目的で、その一部を旅客が負担する仕組みになっています。ただし、航空保険料はあくまで航空会社のためのものであるため、万が一飛行機事故に遭遇した場合でもこちらの保険料から怪我や損失が保障されるわけではありません。海外旅行へ行く際には個人で保険をかけるのが一般的ですが、飛行機事故による金銭的なリスクを抑えるためにも任意で保険に加入しておく必要があります。
ますます空の旅をお得に楽しむために
空の旅をよりお得なものにするために、航空券代には何が含まれているかを知っておくことは大切です。純粋なチケット代だけを見ればA社のほうが安くても、空港税や燃油サーチャージなどを含めたトータルの費用ではB社のほうがお得だということもありえます。少しでもお得に空の旅を楽しんで、節約したお金で旅をもっと充実したものにしていきましょう。