ホワイトタイガーを飼育していることで知られる大牟田市動物園。2018年3月には今後ホワイトタイガーを飼育しないと宣言したことで話題になりました。園内では動物のケージに人間が入って観察するなど展示方法も工夫が凝らされており、より間近で動物を観察することができます。今回は、福岡県を代表する観光スポットの1つ、大牟田市動物園の楽しみ方や見どころをご紹介します。
大牟田市動物園ってどんなところ?
「大牟田市動物園」は、福岡県と熊本県の境にある大牟田市の中央に位置する「延命公園」の一画にあります。公園内には箱型の石棺を安置した宅ヶ峰古墳もあります。
44,000平方メートルにも及ぶ広大な敷地内には100種600点の動物が飼育されています。「人と動物との体験・ふれあい」をテーマに、ウサギやヤギなどといった動物と直接ふれあうことができます。また、リスザルケージやカンガルーケージの中に入って観察できるコーナーもあります。中でも西日本最大級のバードケージの中に入ると鳥の世界に迷い込んだような不思議な感覚が体験できます。猛獣舎では強化ガラス越しにトラやライオン達の姿を見ることができます。中でもホワイトタイガーのホワイティは人気があります。2018年には今後新たなホワイトタイガーの飼育を行わないと宣言して話題となりましたが、これは野生種ではないホワイトタイガーが交配することによって身体的に問題を抱えることが多いためです。動物が身体的に健康に過ごせるだけでなく、「幸福な生活」を送れるようにと動物福祉の観点から「環境エンリッチメント」にも取り組んでいます。
園内ではスタッフの愛情に支えられて元気に遊ぶ動物の姿を見ることができます。キリンとのふれあい体験やリスザルウォッチング、モルモットとのふれあいタイムなど、さまざまなイベントも開催されています。また、夜はライトアップされて昼とは違う雰囲気を味わうことができます。
料金・営業時間
料金
大人 370円
高校生 210円
4歳~中学生 80円
3歳以下 無料
営業時間
開園時間
9:30~17:00(12月~2月は9:30~16:30)
※閉園の30分前は入園不可
休園日
毎月第2・第4月曜日(祝日および振替休日の場合はその翌日)
年末年始(12月29日~1月1日)
アクセス
電車
JR鹿児島本線または西鉄天神大牟田線「大牟田駅」下車→JR九州「大牟田駅」東口側の西鉄バス・大牟田駅前バス停で「荒尾」または「大牟田営業所」行バスに乗車→「警察署前バス停」下車→徒歩約10分
※大牟田駅からは徒歩15~20分
自動車
九州自動車道
南関IC降り最初の交差点を右折→県道10号線を大牟田方面へ10分ほど走る→元村交差点で国道208号線を荒尾方面へ左折→国道208号線を直進→左手に大牟田市役所、右手に大牟田駅を通り過ぎ、大牟田警察署の交差点で左折→2個目の信号の交差点(3差路)右折→左側に動物園駐車場入口
※南関IC~動物園まで約30分
有明海沿岸道路
大牟田ICを降り最初の交差点を左折→大牟田市街方面へ直進→大牟田警察署交差点を通り過ぎ、2個目の信号の交差点(3差路)で右折→左側に動物園駐車場入口
※大牟田IC~動物園まで約6分
大牟田市動物園の見どころ
珍しい動物を見られる!
大牟田市動物園では100種600点の動物が飼育展示されています。ホワイトタイガーは人気が高く、真っ白な毛並みに覆われた神々しい姿を見ることができます。他にもユキヒョウやライオン、カピバラなども飼育されており、名物のレッサーパンダのガイドでは、すぐ目の前で愛くるしいレッサーパンダの姿を見ることができます。リスザルやサバンナモンキー、フサオマキザルなど、サルの種類も豊富で、テンジクネズミなどの小動物も人気です。ケープタテガミヤマアラシは針状の硬い毛に覆われており、針は相手に突き刺さると抜けるようになっています。展示場のそばにはヤマアラシの抜けた毛が展示されており、実際に触ってみることができます。カンガルーケージには人が入ることができ、柵のない状態でより間近にカンガルーの生態を観察することができます。家畜として知られている羊ですが、園内では角のない種類が飼育されており、4~5月には毛刈りが行われ、刈った毛で毛糸づくりやフェルトづくりのイベントが開催されています。
鳥類も飼育されており、優雅で華麗なインドクジャクは見逃せません。こちらもケージに人が入る方式で展示されており、目の前でその美しい姿を見ることができます。抜けたクジャクの羽は1本100円で販売されています。
スタッフとの交流を楽しめる!
大牟田市動物園のコンセプトは「動物をとおしたこころの交流」です。動物園の存在意義は「生きている野生動物の展示を通して野生動物や自然についての理解を深めていくこと」として、スタッフは動物と客を繋ぐ架け橋になるべく、さまざまな取り組みにチャレンジしています。動物園ならではの会話を楽しんでもらおうと、スタッフと来園者との交流にも積極的に取り組んでいます。
また、動物にとってスタッフとの交流は社会生活を向上させるために必要なものです。動物が健康であることはもちろんですが、「幸福な生活」が送れるよう改善していく「環境エンリッチメント」にも取り組んでおり、動物の生き生きした姿を来園者に見せることができます。
動物と直接ふれあう機会を設けることもスタッフの役目です。ヤギやヒツジ、モルモット、ラマのような家畜だけでなく、キリンやライオン、トラ、ツキノワグマ、サルやヘビ、リクガメに至るまで野生動物とのふれあいイベントを開催しています。スタッフと積極的に交流を楽しむことで動物への理解をより深めることができます。
さいごに
開園以来、72年間にわたって市民に愛され続けてきた大牟田市動物園。動物が健康に幸せに暮らせるよう「環境エンリッチメント」にも取り組んでいます。人間が動物のケージに入って動物を観察するなど、工夫を凝らした展示が行われ、動物のリアルな姿をより間近で見ることができます。人気の高いホワイトタイガーも飼育されていますが、生態の抱える問題に目を向け、今後新たな飼育をやめるなど、独自の取り組みが行われています。動物とともにいるスタッフが通訳となって来園者と動物との交流を演出してくれます。動物園ならではの興味深い話も聞くことができます。
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