松山といえば、道後温泉をはじめ、歴史的な場所もたくさんあります。道後温泉で有名な古くからの温泉地であるとともに、俳人正岡子規や文豪夏目漱石ゆかりの地で、坂の上の雲などで知られる文学の街でもあります。
こちらは東京観光専門学校とのコラボ記事です。旅行学科の学生が作成しました。
松山城
松山城は、愛媛県松山市の中心部に位置する城です。標高132mの勝山に、1602年から初代藩主である加藤氏により築城が開始されたといわれています。ヒロイン敷地内には、現存する天守閣をはじめ、歴史的な建造物21が重要文化財として指定されています。また、全国的にも珍しい城の防衛壁として作られた「登り石垣」なども見どころの一つです。山頂までは、4つの登城道とロープウェイ、リフトを利用する方法があります。観光で訪れる場合は、空中散歩に広がる景色を楽しめるロープウェイとリフトを利用するのが一般的です。城周囲は、桜の名所としても知られている他、ロウバイツツジなどの花、紅葉も楽しめるため四季を通して美しい景色が満喫できます。
松山市駅から 「道後温泉行き」「環状線大街道方面行き」市内電車で約6分、「大街道」下車徒歩5分
坂の上の雲ミュージアム
ここは、愛媛県松山市にある博物館で、司馬遼太郎の小説「坂の上の雲」を中心とした内容を展示しております。主人公は有名な正岡子規と、日露戦争で活躍した秋山兄弟です。地下一階地上4階建てのミュージアムは、平成18年11月20日に完成しました。松山城周辺の歴史や文化を意識して考えられた建物は周囲の自然環境に配慮した外観イメージする「坂の上の雲」を表現した空間となっています。小説「坂の上の雲」は、松山出身の秋山兄弟と正岡子規の3人の生涯を通して、近代国家として成長した明治時代の日本を描いています。このミュージアムは、小説に描かれた主人公3人や明治時代に関連する展示に加えて、訪れた人々が時代の流れについて感じたり考えたりできる場所です。
JR松山駅から 市内電車 道後温泉行き 大街道下車 徒歩2分 所要約10分
萬翠荘
松山城の南に位置します。重要文化財に指定されています。廃藩置県される前の松山市は15万石とも言われた松山藩の領地でした。その松山藩主の久松氏が1922年に建てた別荘が萬翠荘です。松山城の南に建っているフランスルネッサンス風の洋館で、設計は後に愛媛県庁などを手がけた建築家木子七郎が担当しました。松山で最も古い鉄筋コンクリート造建築です。屋根は寄棟造、スレートおよび銅板葺きとなっており、屋根中央にはマンサード屋根、東南隅には尖塔を設けて外観に変化をもたせています。建物内は正面玄関から入って中央が階段のある広間、東側は表がサロン(謁見の間)、裏手が食堂(晩餐の間)となり、西側には執事室、配膳室など内向きの部屋を配します。
JR松山駅から 伊予鉄道道後温泉行き 大街道下車 徒歩5分(所要約14分)
道後温泉
道後温泉は、四国愛媛県松山市に湧く日本三大古湯の一つです。3000年もの歴史を持つといわれています。神話はもちろん史実上の記録に登場する温泉の中でも、最も古い歴史を持ちます。温泉街は、その中央にある道後温泉本館を中心として、周辺に商店街などもあり、その一帯が観光客でにぎわいます。無料で利用できる足湯手湯が設置されたホテルや旅館があるので、客室滞在中以外でも、観光の合間に温泉を楽しむことができます。商店街付近は、戦前まで主要な旅館が揃っていましたが、現在は観光客向けの土産店が並びます。周辺地区へは尽力車での移動も可能で、道後温泉本館前には人力車の駐車スペースがあり、そこから離れた観光スポットへ足を延ばすことができます。
伊予鉄道電停JR松山駅前より伊予鉄道市内電車道後温泉行きで約25分/タクシーで約25分
坊っちゃんカラクリ時計
道後温泉本館100周年を記念して1994年に建てられた時計塔です。道後温泉駅前の放生園にあり、市民にも親しまれています。平日は8:00~22:00までの1時間ごと(土曜・日曜・祝日及び特別期は30分ごと)にカラクリ時計本体が音楽に合わせてせり上がり、松山を舞台に道後温泉も登場する夏目漱石の小説「坊っちゃん」の登場人物が中から姿を現します。外観は道後温泉本館の振鷺閣をモチーフにしています。時計塔のからくりからは、道後温泉の歴史と日本を代表する小説の世界観に思いを馳せることができるでしょう。また、カラクリ時計の隣には道後温泉の源泉を使った足湯があり、温泉街周辺を散策する合間に小休憩できるスポットとしても重宝します。
市内電車「道後温泉駅」からすぐ
秋山兄弟生誕地
残された写真や子孫の証言を頼りに原型に近い形で、なおかつ秋山兄弟の生誕地に復元した生家です。兄の好古が中学校長を務めていた際は、自分が生まれたころの家に若干変更を加えて、そこに住んでいたと言われています。屋内も好古が住んでいた様子を忠実に再現し、秋山兄弟の関係資料なども展示しています。庭には、兄弟の銅像が見つめ合うように配置されています。兄の好古は弟の真之へ思いやりの目を、弟の真之は兄の好古へ尊敬の目を、それぞれ向け合っているかのように配置されています。ただひたすら「坂の上の雲」をめざし、激動の時代を駆け抜けた秋山兄弟の生き様は、今もこの地で感じ取ることができます。当時の歴史を勉強するには打って付けの場所です。
松山市内鉄道「大街道」下車、徒歩6分
愛媛県美術館
愛媛県美術館は、国指定史跡の松山城跡内に、城郭の景観と調和させて1998年に開館しました。愛媛県美術館のコレクションは、その前身である愛媛県立美術館(1970年開館)に始まり、主に郷土作家の作品を収集してきました。そして、1998年11月に愛媛県美術館として再出発するのを機に、モネ、ボナール、セザンヌ等の海外作家の作品や、近代日本を代表する安田靫彦、中村彝等の作品、また現代美術では白髪一雄、靉嘔(あいおう)等の作品も収集し、更に近年は郷土出身作家である杉浦非水、真鍋博、田窪恭治等のコレクションも加わって、現在10000点余りを収蔵しています。これらのコレクションは常設展示室を中心に「所蔵品による特集展示」として年に5~6回の展示替えを行っています。
JR松山駅前から、道後温泉又は市駅前行き市内電車で5分。
愛媛とべ動物園
西日本屈指の規模を誇る愛媛とべ動物園には、約180種1000匹もの動物が生息地や種類ごとに10のゾーン分かれて展示されています。園内は自然の地形を利用して作られ、できるだけ段差を使わないように設計されています。立体感のあるパノラマ展示が特徴で、自然に近い動物たちの姿を見ることができます。動物好きには必見のスポットです。また、小動物たちに触ることができる「なかよし広場」をはじめ様々なイベンドも開催されているので、家族連れから友達同士、カップルまで、幅広い層が楽しむことができます。松山市の温泉やグルメで身体を癒すことができたら、次はココロも癒されに愛媛とべ動物園へ足を運んでみてはいかがでしょうか。
「松山市駅」乗車(3番のりば)→「とべ動物園前」下車
子規堂
俳人・正岡子規が17歳まで過ごした邸宅を復元した建物で、勉強部屋も再現されています。また、本人が使っていた机や遺墨、遺品なども展示してあります。正岡子規は、「天下国家を担わん」との思いから地元中学を中退して上京しましたが、帝大に入ってからは文学にのめり込みます。大学中退後に新聞『日本』で文芸を担当して文筆の道に入ります。また、日本に導入されたばかりの野球に夢中になり、数々の野球に関する句を残すなど野球と深い関係があることから、正岡子規と野球の碑も敷地内に建てられています。ほかにも正岡子規の三周忌に遺髪を埋葬した埋髪塔もあります。正岡子規が過ごした風情ある子規堂では、心が落ち着きよい句が浮かんでくるかもしれません。
松山市駅から徒歩で5分
道後公園
道後公園は、松山市の道後地区にある最大規模の県立都市公園です。松山城から東へ2km、JR松山駅から東へ3.5kmの位置にあり、市街地から比較的アクセスが良いことから、散策や憩いの場として地元住民や観光客に利用されています。また、桜の名所としても有名で、多くの人が花見に訪れるなど、広く親しまれています。公園の一角には松山市立子規記念博物館があり、正岡子規の俳句、短歌、小説、水彩画が収集・展示されています。このほかにも、松山市と関わりの深い文化人の資料が収集・展示されており、松山市の伝統文化や文学についての認識と理解を深めることができます。道後温泉周辺を散策する際は、ぜひ足をのばしてみたい観光スポットです。
松山駅から電車で20分(伊予鉄道道後温泉行き)
道後公園から徒歩で
松山空港からJR松山駅までリムジンバスで約15分。松山空港から道後温泉までリムジンバスで約40分
さいごに
温泉はもちろん、様々な歴史スポットもあります。たくさんの魅力ある場所で日本の文化を味わってみてはいかがでしょうか。